第18話 妊娠




 病院に着いたジョン達は、マリーの運ばれた検査室に急いだ。検査室の前には「使用中」の文字が光っていて、ジョン達は仕方なく、検査室の前で待つことにした。

「やはり俺が悪いのか……」

 剛がそう呟いた。

「そんなことありません。今はとにかく検査結果を待ちましょう」

「そうだな……」

 検査室の前にはジョンと剛。デジタル時計なのに秒針の音がなる時計。その音は、二人の沈黙の中に透明なほどに澄んだ音で、響き渡っていた。


 数時間後、検査室から現れた医師はこう言った。

「奥さんは妊娠しています。無理な行動はひかえてください。それと他に異常は見当たりませんでした」

 その言葉にジョンと剛は心から安心し、マリーの妊娠を喜びあった。

「良かった! 本当に良かった!」――剛。

「そうですね!」――ジョン。


 医師から聞いた話だと、生まれるのに約5ヶ月はかかり、母子の安全を考えると入院が最適だと言う。ジョン達は、医師の言う通り、マリーに入院をすすめた。マリーは特に拒否することもなく、ただゆっくりと頷くだけだった。

 その日、ジョン達はマリーのそばに付き添い、夜を明かした。

 剛が家に電話をかけたのは、夜が明けて朝一番だった。



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