第2話 勇者

魔術。魔法。異能力。それは一昔前の小説の題材だった。だが、今は違う。それらに人は「追いついてしまった。」

遡ること80年前。とある極東の国のとある地方にてある噂が世間を騒がせた。


化物と対峙する、妹を探す少年がいる。

と。

この噂は更に噂を呼び、幻覚だの精神が狂っただのあること無いこと騒がれていた。

だが、それは実在した。

その名は大神正嗣(おおかみ まさつぐ)

後に国は彼を「国を守る勇者」として称えた。

さらにそこから約3年後。

「宝具」と呼ばれる武器と炎や風などを操る魔法、更に「魔術」という人に体現した奇跡を起こす力を持った勇者たちが現れ、その家系、特に魔術を使う「神」の名字を持つ勇者は後継者を集い分家や優秀な勇者を輩出していった。

更に67年後。とある企業が国と共謀し、「大神」の後継者を今までの災害、化物の出現の張本人に仕立て上げ、勇者を失落させ、その実権を握ろうとしていたが、「霊神(れいのかみ)」、「月神(つきがみ)」などの「神」の名字を持つ後継者、その先代の勇者の徹底抗戦により、逆に勇者は独立し、大きな研究機関となった。

そう。研究機関となったのだ。

その事件から2年後、研究機関は魔法や魔術を限定的かつ劣化した性能で科学的に発現させる物を開発した。

外部入力式魔術式構築デバイス

(External input magic formula construction device)

通称、EIMFCデバイスである。

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