百合妄想置き場

千歳依瑠

堅物教師と問題児が無事卒業を迎える話


「先生は悪い大人だよ」



scene : 卒業式


「じゃーせんせー、ごほーびのちゅーちょうだい。前に約束したでしょ」

「はて、そんな約束しましたっけ?」

先生すっとぼけ

「せんせーひどーい。ちゃんと言ってたじゃん、わたしが無事に卒業できたらちゅーしてあげても良いよって」

「忘れちゃったの?せんせーってわるいおとなだなぁ」

女の子、ぶぅぅぅぅ、頬を膨らませる

「そうだよ、わたしは悪い大人だよ」

「だって、」「こんふうにさ」

ちゅー!!!!

「自分の生徒に手、出しちゃったんだから」

ちょっとにや、王子様スマイル?

「はは、ちゅーしただけで手を出した判定?せんせーってやっぱりカタブツ〜」笑笑

「だまらっしゃい」先生、女の子を睨む



「せんせー、」

「うん?」

「これはお別れじゃないよ。だってうち、またせんせーに会えるって信じてるもん」

「何をそんな大袈裟な。この学校に遊びにくればすぐにまた会えるでしょう」

「そうなんだけど、そうじゃなくてさ〜」

「まーいいや。じゃ、せんせ、またね」

「ええ、さようなら」



「うち本当はさぁ、留年しても良いかな〜って思ってたんだ」

「だってそしたら、またせんせーと一緒にいられるかもしれないでしょ?」

「卒業しちゃったらきっともう会えないけど、」

「留年すれば、またせんせーが担任になってくれるかもしれない、って」

「はぁ、何言ってるんですか。そんなこと許しませんよ」

「わたしの経歴に傷がつくじゃないですか。私の担当したクラスから留年する生徒が出たなんて」

女生徒、笑う

「やっぱりせんせーのそーゆーとこ、好きだなぁ」




大学で教職とった女の子が先生と同じ学校に赴任してきて再会して終わる?



「せーんせ、ひさしぶり」

「はぁ。あなたみたいな不良生徒が、うちの学校に何の用です?」

「ひどいなぁ、うち、そんなに問題児じゃないとおもうんだけど」

「どの口が。私の担当した生徒の中で、留年ギリギリだったのはあなただけですよ」

「へぇー、そうだったんだ。それじゃーうちは、せんせーの特別ってこと?」

「………まあ、そうですね」

女の子にこにこ

「それじゃ、」「キス、したのも、うちだけなの?」

先「……………」

「あはは、やっぱりそうなんだぁ、だって問題だもんねぇ、自分の生徒にあんなことしちゃうなんてさぁ」

にこにこ

「ね、せんせ、今ならもう、うちは生徒じゃ無いよ?」

先生、ため息

「本当、後にも先にも、こんな不良生徒はあなただけですよ」

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