あやかしの森の羅利子拝(らりこっぱい)元祖。

猫野 尻尾

第1話:電話ボックスのばあさん。

はじめに。

この小説、カクヨムWeb短編賞2923に応募するために、しかたなく

短編にまとめた為、元の話と内容がハナっから変わってしまってます。

なので、このさい元の話をアップしようと思います。


*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・**・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:


今回のお話は座敷わらしが出てきます。

座敷わらしは、主に岩手県に伝わる妖怪で座敷または蔵に住む神と言われ

家人に悪戯を働く、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承が

あります。

座敷わらしの話は柳田國男さんの「遠野物語」や「石神問答」などが有名ですが

この小説の中に出てくる座敷わらしは少し現代風な女の子にアレンジしてあります、


タイトルの羅利子拝「らりこっぱい」は、この小説の中の座敷わらしの名前。

なんじゃらほいって思われた方もいらっしゃるかと思いますのでちょっと解説。


本来は四字熟語で乱離骨灰・羅利骨灰(読み)らりこっぱいと書くんですが、

骨に灰では死んじゃってる人みたいなので骨を子に灰を拝むに変えました。

座敷童も少女・・・女の子、子供を拝む・・・そう言う意味ではベストなの

ではないかと・・・。

らりこっぱいの意味は「さんざんなありさまになること、また、そのさま、

めちゃめちゃ」ってことです。


ではでは「あやかしの森の羅利子拝」はじまりです・・・。


高校から帰りのいつものバス停。

そのバス停のすぐ横に誰が設置したのか今時とは思えない木製のめっちゃ

レトロな電話ボックスがぽつんと立っている。


その電話ボックス、通学時毎日のように見てるけど誰かが利用してるところを

俺は一度も見たことがなかった。

ところが今日はじめて電話ボックスに人が入って行く人の姿を見たんだ。


興味を惹かれた僕はその電話ボックスに近づいて、そっと中を覗いてみた。


でも誰もいない。

さっきまで確かに人が入ったはずなんだけど・・・。

見間違いなんかじゃない・・・たしかに入って行ったんだ。


それからその電話ボックスのことが気になって毎日通学、下校時に

観察していた。


そしたら腰の曲がった杖をついたばあさん、この間見た人と同じ人。

そのおばあちゃんが電話ボックスに入っていくのを見つけた。


また見失うといけないと思って急いで電話ボックスまで行って中を覗くと

やはり誰もいない。

不思議なことがあるもんだと俺は思いながらバス停まで戻ってきた。


それから数日後その、ばあさんがまた電話ボックスに入るところを見かけたので

今度は遅れないよう大急ぎで電話ボックスに駆け寄って中を覗いた。


そしたら今度はそのばあさんと目があったんだ。


電話ボックスから出てきたばあさんが言った。


「なに、しとんの?・・・ノゾキはあかんよ?」


「あ、いやこの電話ボックスに、おばあさんが入ったのを見かけたんで

あの・・・珍しいなって思って」


「み〜た〜な〜」

「そう・・・見られちゃったんならしょうがないわね」

「見ちゃたからにはあんた・・・死ぬよ」


「え〜〜〜?」


ばあさんの形相が急に変わってデカくなった気がして俺は少し後ずりした。


「死ぬって・・・なに?」


「冗談、冗談・・・なわけないでしょ?・・・なにか?私にご用?、お兄ちゃん」


そのばあさんは痩せていて黒いワンピースを着てて髪は真っ白でショートカットに

シワだらけの顔立ちで年齢は?・・・老人の年齢は分からないけど見た

ところ70〜80前後くらいか?百歳くらいだったりして・・・。


「あ、いや、別に用ってわけじゃないんすけど・・・」

「たしかに電話ボックスに入ったはずなのに中覗いたら毎回誰もいないんで・・・

その理由と原因を確かめたくて・・・ほんの好奇心と出来心っす」


とぅ〜び〜こんて乳。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る