夏末の白昼夢

梓桃李による怪談記事

 夕暮れに出てくる腐った化け物を知っているだろうか。

 これは別に伝奇における怪物だったり、フィクションにおけるモンスターの話をしているわけではない。とりわけ僕はそういったファンタジーについては疎いというか、現実感を抱いて接してしまうために、それを心に寛容として受け取ることがまず難しい。言うなれば僕はリアリストなのだ。だから、そんな現実味のない話をしようっていうわけじゃない。それでも信じられない人は過半数を占めると思うので、まあ、適当な戯言だと思って聞いてくれないか。単純な時間つぶしでもいいかもしれない。僕はそう聞いてくれることを望んでいるし、それ以外の聞き方を望んではいない。なにせ、自分自身で信じることができていないのだ。だから、適当に腰をかけながら、そこらへんでこの文章を読んでくれ。

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