蜜月
@ku-ro-usagi
短編
久しぶりに会った友達が
背中に凄い変なものを携えてやってきた
「なにそれ」
と言ったら
「石の採掘で山行ったら迷ってさ
そこで
もうだいぶ長いこと放置された
朽ち始めてた祠見つけてさ
気紛れで拝んじゃったんだよ」
「うん」
「そしたら憑いてきた」
とのこと
あのね
それは
捨て犬捨て猫じゃないんだよ
「祓えよ」
って言ったんだけど
友達曰く
「いやー、見ての通りすごいでしょ?
これがくっ憑いてくるようになってから
雑魚に付き纏われることがなくなったんだよ」
と
確かに多いときは3体くらい変なものにまとわりつかれてたし
水子の時は
色々と勘繰ってしまい
チラチラ見てたら
「私のじゃねーよ」
野良水子だよ、と怒られた
そういえば以前も
一緒に車に乗ってる時に
背丈を優に越える車を覆うくらいの物凄い大きな
三日月型に笑っている人の目が
前面から迫ってきた時もあったな
(私は助手席で3秒位失神した)
しかし
なぜこいつ
友達は
背中辺りに纏わりつく
この凄い変な
クトゥルフ神話の化け物も真っ青なこれに
身体も精神も乗っ取られないのか
友達曰く
「動物に好かれる人もいれば
避けられる人もいるでしょ
悪霊に取りつかれる人もいれば
なつかれる人もいるのよ
いやー
これとは凄い相性良くてね
もう奇跡の出会い」
こいつ
この世の曖昧模糊なものを犬猫扱いしおった
デメリットは
「視える人には思いっきりドン引きされて避けられる」
らしいけど
今のところ他に不便はないと言う
それに
「ヤンキーと付き合ってるとチンピラに絡まれたりするけどさ
ヤクザと一緒にいるとチンピラは逃げてくでしょ?」
だから
そこいらのクソ雑魚低級霊に纏わり付かれることがなくなって
快適なのだとか
悪霊との蜜月
私は当然
そんなものとの相性は存在せず
そのクトゥルフもびっくりな何かの瘴気に当てられ
数十秒後に吐いた
蜜月 @ku-ro-usagi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます