6


駅前で電車の時刻を確認していると

見知らぬ女性に声を掛けられる。


さっきカフェで見かけて、


から始まり


貴方みたいな素敵な若い男性は

こんな田舎じゃ見かけないからつい、


と続ける。


年は?なんだ同級生、じゃあタメ口で良い?

私のことも呼び捨てで良いから。

それで本題なんだけど、

貴方今悩みがあるでしょ?

いいの、何も言わないで。私分かるから。

このままじゃ最悪の事態は

避けて通れないけど、大丈夫。守ってあげる。    あ、私がって意味じゃないの。

守ってくれる神様を紹介してあげる。

今貴方が知っているような

偽物の神様じゃなくて本物の神様。

政府は揉み消そうとしてるけど、

この町ではちゃんと信仰が続いてるの。

今はネットがあるからさ、

真実の共有を簡単にできるんだ。

それだって政府の目を搔い潜らなきゃいけないから 大変ではあるんだけど。

騙されて苦しんでる人のために

危険を冒して活動してるの。

タクシー乗ったでしょ?あの人もそうなの。

あんまり上手くは話してあげられなかったって   心配してたから私が来たんだけど、

私は幹部の人とちょっと繋がりがあるからさ、   貴方のことも紹介してあげようと思って。

善は急げだし情けは人の為ならずって

言うでしょ?

もういてもたってもいられなくてさ、

私子供の時から正義感が強くて。

そしたらそれは

神様から選ばれてるからだったんだけど、

それ聞いた時にさ、あ、そうかそうだったって   全部思い出したんだよね。

とにかく今は政府と偽物の人間のせいで

辛い思いしてるだろうけど

本物の神様と会えば大丈夫だから。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る