第3話 月とさくらと待ち合わせ
バレンタイン当日、夕と温海にはチョコレートとは別の物を買ってプレゼント。
「2人ともおはよう、これは2人へのわたしの愛の結晶だよ」
「どうみても、市販のクッキーじゃない。でも、ありがたくいただくわ」
「文乃ちゃんありがと~。これはわたしと温海ちゃんの文乃ちゃんへの愛の結晶だよ~」
夕から包みを受け取ったけど、包みから高級チョコレートと言う事はわかった。
「これって高級チョコレートじゃない。もしかして、温海の知り合いパティシエってこのお店だったの」
県内でも1,2を競う高級チョコレートのお店の物だった。
聞いた話では、世界大会で賞を受賞したチョコレート職人のお店らしい。
このお店のチョコレートは買うだけでも大変なのに、数日前に入手できるとは流石温海だ。
「実はお父さんのの友人で毎年貰うんだけど、何時もはお姉ちゃんが彼氏さんにあげてのを今年はわたしに回してもらったのよ」
温海は照れながらいうけど、なるほどそう言う事か。
というか、こんないい物を毎年貰ってたなんて、流石経営者の娘である。
「それならありがたくいただくよ。わたしには勿体ないぐらいだけど、夕と温海の愛の結晶からね」
「珍しく素直じゃない。受け取ってもらえるなら別ににいいんだけど」
「わたしは何もしてないんだけね~。初めは買い物へ行こうとしたけど~温海ちゃんがこのチョコレートの事を思い出して~
成子さんに頼んだんだよ~」
「夕の気持ちがはいってれいいよ」
「そう言ってくれると嬉しいよ~」
すると夕はわたしに抱きついて来たけど、夕さんのお胸はやはり良いでですな。
って、朝からわたしはエロおやじ見たい事を考えてるんだ。
でも、やはり夕さんのお胸は最高だよ~。
「夕、きっと文乃が邪な事を考えてるから離れたほうがいいわ」
流石温海さん、わかっておられる。
でも、他の子の目もあるし、そろそろ先生も来るから残念ながら離れてないとならない。
「夕、そろそろ先生もくるから、離れたほうがいいかな」
「そうだね~」
夕がわたしから離れるけど、制服の上からであっても夕さんのお胸の柔らかさはよくわかる。
「そうだ~学校が終わったら~文乃ちゃんの家の最寄り駅近くの桜並木のベンチで~月ちゃんとさくらちゃんと待ち合わせだよ~」
「わかった。夕と温海も来るよね?」
「うん、いくよ~」
「文乃だけだと、余計な事をしそうだからもちろん行くわよ」
「余計な事はしないけど、2人が来てくれたほうが心強いよ」
わたしとしては月ちゃんとさくらさんとはまだまだ話がしにくいから、2人が来てくれる方がありがたい。
あとは……わたしが作ったチョコが口に合えばいいんだけどね。
そして、学校が終わると出来るだけ早く待ち合わせ場所へと向かう。
どんなに急いでも、待ち合わせ場所へは45分はかかるけど、最寄り駅に着いたらメッセージを送って月ちゃんとさくらさんは学校を出るそうだ。
駅に着くと、夕が月ちゃんにメッセージを送るとすぐに返事に来たけど、月ちゃんって面倒くさいって言う割に
メッセージの返信は早い気がするけど、もしかしてさくらさんがやってるのかな。
その可能性も高そうだけど、来てたら後で聞いてみよう。
駅を出て待ち合わせの桜並木のベンチへ向かうと、まだ月ちゃんとさくらさんはいなかった。
駅からここまで5,6分で着いたけど、月ちゃんとさくらさんの学校からだと10分近くかかるらしいのでちょっと早かった。
今日は2月にして暖かいけど、それでも風が冷たい。
さらに車が通りが多い国道端なので、車が通る風もあったりするが数分後、月ちゃんとさくらさんが到着した。
「こんにちは、皆さんの方が早かったですね」
「皆さんこんにちは……」
「こんにちは」
「こんにちは~」
「こんにちは、わたしたちもちょっと前に着いたからそんなに待ちませんでしたよ」
「寒い中待たせたと思ったので、良かったです」
「頑張って……早く来ました……」
さくらさんが言うには、教室を出るのがのんびりな月ちゃんが珍しく廊下でさくらさんを待っていたそうだ。
「寒いから……待たせては言えないと思いました……」
「そうなんだ、ありがとう月ちゃん」
「ありがとうございます……文乃さんでしたねよ……」
「そうだよ。これ、わたしから2人にへのチョコレートだよ」
わたしは鞄からラッピングしたチョコレートを手渡す。
「文乃さん、ありがとございます」
「ありがとございます……」
「簡単な手作りなのものだけど、2人の口に合えばいいかな」
「そうなんですね。わたしも月と2人で作りました」
「わたしは……さくらさんの横で……つまみ食いしながら見てたました……」
月ちゃんは自分でつまみ食いをしてたと言うぐらい素直な子みたい。
月ちゃんと夕の性格は真逆だけど、こういう所がなんとなく夕に似てるかも。
「つまみぐいじゃなくて、味見ね。月は作るのは駄目だけど、食べる方に関しては信頼してるよ」
「さくらさん……恥ずかしいです……」
「でも、それがわたしが月を好きな所だよ」
「皆さんの前ですよ……」
月ちゃんとさくらさんののろけが始まったけど、恥ずかしがる月ちゃんもかわいいし、さくらさんも月ちゃんが好きみたい。
そして、百合カップルをこうしてみる方がやはりいい。
「夕さんと温海さんにはわたしと月で作った手作りシフォンケーキです」
「さくらちゃんありがと~」
「ありがとございます」
「わたしは……味見専門でした……」
やはり月ちゃんは味見専門だったけど、月ちゃんとさくらさんが2人で料理してる様子を想像すると……うん、これはいいものだ。
「もっと話したけど、ちょっと冷えて来たね」
「そうですね、ここは風を遮るものが無いですし」
「お時間があったら……わたしの家に……きませんか……」
「そうだね~久しぶりにお邪魔したいかな~」
「わかりました……お姉ちゃん居なくなったから……皆さんが来ていただくと……にぎやかです……」
そういえば、月ちゃんのお姉さんの陽さんは結婚するって言ってたけど、わたしの誕生日にお祝いを持って行ってから
3か月ぐらい経ってるから、嫁ぎ先に行ったよね。
「陽さんが結婚したので、朝の髪のセットはわたしが朝早く行ってしてあげてます」
「そうなんですか?」
「してあげないと、月は寝癖のまま学校にくるので……」
さくらさんは苦笑してるけど、どうも本当らしい。
「わたしも~お泊りした時は~月ちゃんの髪をセットしてあげてるよ~そうしないとぼさぼさで外に行くからね~」
夕もこういうので、本当みたい。
月ちゃんはとても綺麗なストレートの黒髪で正に美少女って感じだけど、寝癖がついたまま学校に行けるのはすごい……。
「髪のセットは……面倒です……」
「月は綺麗なんだから、身だしなみをしっかりしないとダメだよ」
「出来るように……がんばります……」
「寒くなってきたから~そろそろ行こうか~」
「そうだね」
話してたら、冷えて来たので月ちゃんの家へとみんなでむかったのであった。
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