第39話
フォークナー養成学校は四英雄が魔王を倒した後、王都に設立された国立学校だ。
次世代の英雄を育成することを目的に建てられたここには多くの生徒が通う。
中世に流行ったゴシーク様式を採用されており、荘厳な外観になっているが、内部は近代化されており快適だった。
芝生が敷かれた中庭は広く、昼休みには多くの生徒がそこで体を休める。
クラスは大きく分けて七つに分けられており、実力順に配置が決まる。
最も上のクラスには黒色が割り振られ、その色のマントがあてがわれた。
その黒いマントを翻し、二人の少女が天井の高い廊下を歩いていた。
「今日だっけ? 新しい先生が来る日って?」
金髪の長いストレートを揺らして歩く青い目のソフィアは面倒そうにクロエへ尋ねた。
「ああ。そのはずだ」
黒い軍帽に同じ色のポニーテールのクロエは頷いた。
二人とも黒い縦のラインが入った白のブラウスに短い紺色のコルセットスカートを履いていて、手は長めの白い手袋で覆われている。
ソフィアは白いニーハイソックスを履き、青い花の髪飾りをしていた。大きめの胸に自信を秘めた目をしている。
クロエは黒いタイツを履いていた。ソフィアより背が高く、胸もさらに大きい。腰に二本の刀を差しており、目つきは鋭かった。
ソフィアは訝しんだ。
「クロエはルークの言ってたこと信じる?」
「ルークの? ああ。あれか。その人がアレン教官より強いという噂。さあ。どうだろうな」
「ぜっっったい嘘よ! 絶対あのアホが吹かしてるんだわ。そんな化け物が田舎で農夫なんてしてるわけないじゃない。貴族が放っておくわけないわよ」
「だが世間には存在自体知らされてなかったんだ。そんなことがあっても不思議じゃない気もするが?」
「ないわね。もしそうだったらエミリアの胸を揉んでもいいわ」
「どういう賭けだ? そんなことしたらシラユキに怒られるぞ」
呆れるクロエに対し、ソフィアはふんと鼻を鳴らす。
二人はそのままエリートクラスの教室に入った。
中では同じ黒いマントを身につけた数人の生徒が既に待っていた。
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