カブトムシ捜索隊①

私が祖母と一緒に、群馬へカブトムシを獲りに行った時の話です。



私が小学校低学年の頃は、とにかく


「夏休み明けのネタが命!」


というカンジで、休みの間にどこへ行ったとか、何をしたとか、そういう話で持ち切りだったワケです。



ですが、私が旅行などに行けるハズもなく…


近所の公園や市民プールで、半日を過ごすといった日々を送っていました。




そんなある時、たまたまデパートで見かけたカブトムシに、私は目を奪われてしまったのです。


(おいおい、カブトムシって…)


と思われるかも知れませんが、私にとっては衝撃的な出会いだったのです。


と言うのも、私の住んでいる地域ではせいぜいセミが取れるくらいで、カブトムシなどはもってのほか。


実際に目撃することは、まずできないワケです。



そこで私はピンときたのです。


「カブトムシを獲ってくれば、クラスの人気者になれるだろう」と。




そんな浅はかな思惑で、私は祖母と一緒に群馬へカブトムシ探しの旅へ向かったのでした。

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