三百二十一羽 ☆ リュリュエル、作戦開始!

「なんでも包み隠さずおしゃべりしちゃうってことさ!

でも大丈夫さ! ユキちゃんのカチューシャを見るさ!

うちが造った天才的な精神抑制マシンの機能で、悟られだだもれゼロさ!」


「でも、妄想をはじめるとだだもれが止まんないの!

マシニエルのマシンって中途半端が過ぎるのよ!

へっぽこエンジニア!」


「ユキちゃん、ひどいさ!」

「どういうことか、全然わかんないんだけど!?

ところで、リュリュエル遅いわね?

まだデヴィちゃんのところにいるのかしら?

(遅いと気になっちゃうじゃないの!)」


「ボクならここにいます!

勇希様は永遠の腐女子!

悟り悟られパワードスーツなお腐れおもらし小学生アイドル勇者様ですからね!」


「肩書きがおかしすぎるわ!?

え!? もしかしてわたしの気持ちを!?」

「おもらしはしてないです! したけど!

ああ!? 言いたくないのに〜〜〜!!!」


「皆さん、準備できました?

デヴィ様たちは準備オッケーだそうですよ!」


「やっと来たわね。

それじゃあみんな、第一作戦決行ね!」


「オッケーです! シロちゃん、行くよ!

白雪ダイヤモンドダストウイング!」


外骨格アーマーの背中から聖力と妄想力で形成された細氷のような翼が羽ばたきます!

続くイオス様たち魔導エアロバイクの魔導エンジンがうなる!


「イオス様以外は身バレしないような、ロック魂がイケてるフルフェイスマスクな完全防備です!」


「へ! 嬢ちゃんたちだけ顔バレなんて、俺のプライドがゆるさねぇからな!

野郎ども!

平和と未来のアイドルのために、気合い入れろおおお!」


レジスタンスさんたちの気合いの雄叫び!

シロちゃんを隠していた街外れの廃工場から発進します!


「はあ〜。まさか天軍を相手にするなんて、ほんとにいいの?

あんな移動要塞相手に囮作戦なんて無理無茶無謀もいいとこじゃない!

そりゃ、戒厳令とかが発令されたら脱出なんて簡単にできなくなるのはわかるけど!

いまさら言ってもしょうがないわね!

リュリュエル、わたしたちも行くわよ!」


「ん〜〜〜? フィスエル、決戦前にお願いがあるんです?」

「なによ! 急ぐんでしょ!?」


「少しでいいんです。目を閉じてくれます?」

「え!? う……うん。なにするの?

ひゃわ!? お、おでこにぷにって感触!?

な、ななな、なにしてるの!?」


「まだ目を開けちゃダメですよ?

いいですね?」

「〜〜〜〜〜!!!

まさか……真ん中!?」


「ダークネスエンジェルブレインウォッシュ」

「へ? あ……くぅ」


白い姿に戻って眠るお姫様を事務所のソファにおろします。


「ごめんなさいフィス。

ボクやラブエルみたいなことになって欲しくないんです。

それになんだかとっても嫌な予感がずっと止まらないんです。

ここで待っていてくださいね?」




「あのイカつい天使人形もマシニエルが造ったの!?」

「まるでイカ天さ!

ユキちゃん、ウチを侮ってもらっちゃ困るさ!

微エロくなくてカッコ悪いさ!

ウチが作ったのとは違うさ!」

「じゃあ、遠慮なくやれるわ!

みんな! 陽動作戦開始! やられないようにね!」


魔導エアロバイク隊「おお〜!」


「ふっわ〜〜〜!

移動要塞からわらわらと飛び出した小型、中型のイカ天な天使人形さんたち!

勇希様搭乗のシロちゃんにイオス様率いる魔導エアロバイクの一団が、フォーメーションで作戦通りに空を舞っています!

エンジェルアローやブレスに反撃する、魔導エアロバイク隊による風の精霊魔法などの攻撃!

見事な空中戦を繰り広げています!

どうやら、一定の空域に引きつけてるようですが!?」

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