百九十七羽 ☆ リュリュエル、大解放!

「炎が効くといいんですが、合わせ技でいってみましょう!」


羽と輪っかを漆黒の闇に!

左手に聖力を集中!

右手で黒いエンジェルフェザーを引き抜いて!


「左腕に隠されし真なる宿りし力よ!

矢羽にまといて燃えさかれ!

ヘルヘルヘルファイア!」


地獄の炎をまとった光子の矢羽を天に向けて今、放つ!


「サウザンドエンジェル! ヘルヘルファイアロー!!!」


シュパパパパ〜と燃えあがる数千本の矢が!

天に向かってからくるっと急降下!


吐き出される絶対零度なデスダイアモンドダストを押し返して!

ヒレカツさんのあぎとの中めがけて、数えきれない矢羽が突き刺さる!

さらに!

たくさんの矢が火口なアビスの底に凍る分厚い氷床を砕く!


ぎゃおおおおおおおおお!!!


叫び声を上げながら!

火口の外へと舞い逃げるヒレカツさん!


「伝説級のドラゴンさんにしっかり痛かったみたいですね!

ですが、やっぱり炎系は相殺もしくは無効でしょうか?

まだだいぶお元気そうです。

アン様! 皆さん! 大丈夫ですか!」


「うん! みんな、なんともないよ!

お姉ちゃんも無事でよかった!」


ちびっ子たち「お姉ちゃん!」


「ふぃわわわわわ! みんなで抱きついてきたら苦しいですよ!?

それじゃあ、皆さん!

大人もお子ちゃまもみんなで帰りましょう!」


子どもたち「うん!」


大人たち「姉ちゃん、すげえなあ!」

「うちの子はいるかい!?」

「おお! 元気そうでよかった!」

「ああ! もう二度と会えないかと思った!」


皆さん、涙を流してよろこんでます!


「とっても大勢の大人な皆さん、螺旋状の氷の足場からずらりと整列、お顔をのぞかせて安否のご確認! よかったですね!

シルバタイトなんて鉱山があるからいけないんです!

闇力大解放!

左腕に隠されし、真なる宿りし力!

アビスの底にヘルヘルヘルファイア! 百連発!」


アビスな火口の凍る鍋底を地獄の炎が灼き焦がす!


ゴゴゴ!

ぐらぐらぐらぐらっ!!!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

どっぱ〜〜〜ん!!!


「きゃあああ! 地面がゆれる!

あれ見て、お姉ちゃん! 真っ赤なドロドロ!」


大人たち「ありゃ、マグマだ!」

「ここは活火山なんだよ!」

「シルバタイト採掘のために無理やり凍りつかせてたんでぇ!」

「氷で息苦しいって、ここんとこ山の神様がぐらぐらお怒りだったぞ!」

「マグマが今にもあふれ出しそうだ!」

「こりゃ、いけねぇ!」

「みんな! 逃げるんだ!」

「とても間に合わねえよ!」


「大丈夫だよ! お姉ちゃんがなんとかしてくれるから!」

ちびっ子たち「ね!」


「はい! なんとかしちゃいましょう!

螺旋な足場で整列な皆さん! 人質になっていた女性陣の皆さん! お子さまたち!

全員、一列になって手をつないでください!」

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