百七十六羽 ☆ リュリュエル、不正!
「この天使、なんか危なくないですか!?」
「ん! なんだか、はあはあ言っちゃうお方が増えました!」
「追いかけてくるあいつら、なんとかしてください!
おしっこ行きたいんです〜!」
「うちにはガードエンジェルを操作する権限ないからさ〜。
そもそもなんで人族のモノモチユキちゃんがエンジェルファクトリーにいるのさ?
鳴りっぱなしの警報音の原因てきみたちさ!?」
「勇希でいいです!
何でって、お兄ちゃんの異世界転生に巻き込まれて、転移したって話なんですよね!?」
「じゃあユキちゃんて呼ぶさ。
転移ってこんなとこに? 何でさ?」
「わたしが知るわけないです!
ちょっといいですか!
逃げながら話すのしんどいんですけど!」
「ユキ様、走るの早いですね!
とってもアスリートなラン!
さすが運動神経抜群!
かわいい制服で走るお姿が美しいので、思わず見惚れちゃってました!」
「飛べるのずるいです! わたしにも羽をください!」
「ふ〜ん。
神様の転生に巻き込まれるなんて普通はあり得ないけどなあ。転移は転移で別の術式が必要さ」
「無視された!?」
「うちの<聖衣創造召喚機構>だってちゃんと専用の術式があるさ。システムがなくても聖力まかせで衣の顕現もできるっちゃできるけどさ。
その転移って他の神様なり、よその力が介入してると思うさ。
転生術式と転移術式が干渉して……転移先だか時間軸がバグってここに? いや、そもそも場所は合っているとして……う〜ん?
もしかして不正転移? 転生にかぶせて転移の痕跡をごまかそうとしたさ?
ん? そういえば、あいつがなんかしてたさ」
「何をごちゃごちゃ言ってるんです!?」
「ぐう……むにゃ」
「リュリュエル、飛びながら寝てます! よく壁にぶつからないね! 起きてください!」
「ふわ〜い。何だか天使予備校で気持ちよく寝ていたときを思い出しちゃいました!」
「リュリュエル、もしかして落ちこぼれさん!?」
「落ちこぼれじゃないです!
ちゃ〜んと聞いてたけど寝てただけですよ! ぷんぷん!」
「絶対、聞いてないですよね!?」
「それで、何でしたっけ?」
「やっぱり、聞いてない!」
「よくわかんないってことさ。
ただひとつだけ言えることがあるとすれば……」
「あるとすれば!?」
「うちをここから連れ出してさ!」
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