百二十一羽 ☆ リュリュエル、血族!

「小さいナユ・ウシャ・オン様、忘れちゃったんですか?

10級見習い天使のリュリュエルですよ?」


「ナユ・ウシャ・オンじゃと!?

なぜその名が!? ウシャ国の女王は健在なのか!?

おのれ〜! あのように破廉恥ハレンチなスライム文明を発展させた一族と、我がルゥノ国のスライムテクノロジーを一緒にするでないわ!

わらわの名はデヴィ・ルゥノ・オウ! ルゥノ国、最後の魔人王じゃ!」


「ふぃわわ! 最後の魔人王!

と〜〜〜ってもワクワクどきどきなお方のようです!

確かにナユ様の真紅でショートなヘアーと違って、すてきな空色のくせっ毛セミロングな髪。

でも、お一人なんですね。なんだか、今のボクとおんなじ、とってもさみしいですね?」


「別にさみしくなど! ……さみしくなど……さみしくなど〜〜〜」

「涙がポロリ! よかったらボクのお友だちになってもらえませんか?」


「くすん……友だちじゃと?

…………ま、まあよかろう」

「ちょっとお顔が赤いですね! それではお友だちの証!

いきなりエンジェ〜〜〜ルギフト!」


天井から降り注ぐ光のシャワー!


「これは……神のギフトではないか! お主、天使じゃろ!?

それに、わらわ魔人! 魔族の血族じゃぞ!?」

「そんなの、どうでもいいで〜す!」


「どうでもよくないわ!

まったく! さすが、いいかげんな神どもの使徒じゃ!

大体にして、神魔大戦なんぞ起こしおるからいかんのじゃ!

二次に三次と、次から次にどんどんやりおってからに!

だから、争いながらも平和に暮らしておった我ら下界のものまで滅んだりするんじゃ!

おかげで、国は滅亡、民は離散、第一位王位継承者であった兄上も戦乱で行方しれず。

せめて最後のあがきとばかりにこの地で眠りについたものの。なけなしの誇りをプニプニの小さな胸に、わらわ一人で……」


「ふぃわわわわ!

ポロポロ大粒! 泣かないでください!

お友だちのボクがいるじゃないですか!

エンジェ〜〜〜ルギフチュ!

ほら! ほっぺにチュ〜しちゃいましたよ!」


「ごぶはっ!? なぜにチュー!?

ふははははは! 気に入った!

リュリュエル! お主はわらわの友じゃ!

いや! わらわの婿に迎えてやろうではないか!」


「お婿さん!

え〜! なんだか照れちゃいますぅ〜。

ですがボクには……」

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