百十七羽 ☆ リュリュエル、装備!

冒険者たち「ナユじゃないか! 調子はどうだ!? スライム倒すの手伝ってやろうか!?」

「早くわたしたちのパーティーに入りなさいよ!」

「今晩、腹へりスライム亭に飯食いに行くからよろしくな!」


「調子はいつも通り! にひ!

ごめんね! あたし、スライムちゃんとがんばりたいの!

冷た〜いキンキンエールとプルプルスライムラーメンを用意して待ってるね!」


「うわお! ナユ様、相変わらずの変な笑顔に、街の人気者!

やっぱりドジっ娘はほっとけないんでしょうか!?」

「だから〜! ドジっ娘じゃないもん!」


「腹へりスライム亭ってなんですか?」

「早朝から冒険者やってるんだけどね。それだけじゃ、とても暮らしていけないから、夕方からウエイターやってるの!」


「ナユ様、働き者! でも、街は廃墟になっちゃいましたよね?」


「スライムちゃんのスキルで、スライム感あふれる不思議で立派な街に復興したよ!」

「そうだったんですね!

ところで、スライムくんに戦闘のアシストをしてもらわないんですか?」


「スライムちゃんにあたしを操ってもらえば、倒せるんだけどね。

それじゃあ、いつまで経っても強くなれないでしょ?

ちゃんとあたしの力で強くなるんだ!」

「プルプル!」


「さすがナユ様! 歴代勇者様、随一のへっぽこでも心意気がお見事!」

「リュリュエル、ひどい! ところで、その手に持ってるのなあに?」


「これですか? これはとある村でもらった幸運を呼ぶという宝石草ですね。

スピード勝負に夢中でエンジェルバッグにしまうのを忘れてました!」


「プル!!!」

「ふぃわわわわ!? 真紅のサファイヤラックローバーが!?

スライムアーマーの一部が伸びて食べられちゃいました!」


「スライムちゃんたら! 勝手に食べちゃダメだよ!」

「プルプル!」


「アーマーにクローバーの装飾が施されてます。おいしかったみたいですね!

大丈夫ですよ、ナユ様。ボクが持っているよりもナユ様に装備してもらったほうがうれしいです!

さあ! 都合よく、こちらを警戒して待っていたスライムが攻撃してきますよ!」

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