六十五羽 ☆ リュリュエル、魅力!

「ミャウ様〜、ミャウ様〜?」

……この洞窟、四つんばいだし、ずいぶん狭いし、ここじゃないんじゃないかもな?


「い〜え! エンジェリックア〜〜〜イ! でしっかりと、エンジェルステッキでゆるっと確認しました! この洞窟がアジトで間違いないです!

けど……暗くて狭くて怖いです〜。

先を急ぎましょう!」


……しっぽと尻を顔で押すなもな!? こそばい!

鼻を押しつけるなもな! こらっ! やめっ!?

ケ、ケモナもいるんだから、そんな怖がるなもな!


「だって、ボクにはケモナが見えてますけど、ケモナは他の人には見えてないじゃないですか。

それってさみしいです!」


……リュリュエルは寂しがりもな。

ケモナが姿を現せるくらいの等級だったらよかったもな。

? なんで10級のリュリュエルは姿が見えてるもな?


「すっかり忘れてました!

エンジェ〜〜〜ルキャンセル!」

「けも!? ケモナの姿が見えるようになった!?」

「これでさみしくありません!」


「こら!」

「ふぅわあああ、むぐ!」


「しっ! 叫んじゃダメ!

なんで、あたしより先に到着してるにゃ!」


「追い越しちゃってました! てへぺろ!」

「リュリュエル、先走りしすぎもな」


「一人、増えてるし!

何この子! とってもかわいいにゃ〜!」


「むぎゅ。抱きつくなもな〜」

「ケモナはボクのお友だちです!

ミャウ様に会いたくて追いかけてきちゃいました!」


「あたしに!? そんなに大人の魅力があふれてたかにゃ〜?

んにゃ〜。だったらしょうがないにゃ」

「大人の魅力はまったくこれっぽっちもみじんも感じてませんよ?」


「みじん!? 少しは感じて欲しいにゃ!

あっちの本ルートは整備されたかなり広い空間があるけど、こっちのルートは洞窟の枝道で、人さらいたちが通ることはないから、ここに隠れてて」


「はい! わかりました!!!」

「いい返事にゃ! わかればよろしいにゃ!」




「……なんでついてくるにゃ!?」

「なんででしょう!」

「返事だけ無駄に良かったにゃ!?

 もう、勝手にするにゃ!」

「はい。勝手にしま〜す!」

「もな〜」

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