リュリュエル ☆ 爆誕の九

六十ニ羽 ☆ リュリュエル、獣人!

「忍者勇者って、かっこよさそうですよね!

さっそく探しに行きましょう!

ですが、忍者さんはどこにいるんでしょうか?

エンジェルステッキが倒れた方に行ってみましょうか?」


「けも〜。亜空間で何してるもな?」


「なんの動物かわからない獣耳にしっぽ。かわいい角におひげ。

もふもふの体毛に包まれて、上半身丸出しのお姿は……。

天界でマスコット的な存在として愛されている、獣の天使ケモナエルじゃないですか!」


「ケモナでいい。リュリュエルひさしぶりだな。

あんまり恥ずかしくなること言うなもな」


「しっぽがフリフリ、お顔からシューっと湯気が出ています。

かわいい! さすが天界のマスコット!

ケモナは忍者がどこにいるかご存知ないですか?」


「知ってるもな。

とある世界では、和國っていう国に獣人が集まってる。

ケモナは今から行くけどくるかもな?」

「和國って、どっかで聞いたことが……ワクワクですね!

ついてきま〜す!」




「ふぅうわあああぁおぉぉぅ〜!

甘味処に呉服屋さんに旅籠はたご屋さん!

魅惑の遊郭ゆうかくなんかもあっちゃったりしちゃいます!

和風っぽさがあふれる街並み!

和風っぽい着物姿の皆さんでいっぱいです!

人族以外にもいろんな獣人さんがたくさん!」


……この世界は獣人があまりよく思われてないもな。

でも、和國は人と獣人がとっても仲良くしている国なんだもな。


「洋風なお方が少ないですね……なんだかボクたちの衣も浮いちゃってます。

というわけで!

着物的な衣を全なる父にお願いしちゃいました!」


……羽織り姿になったけも!?


「ケモナの姿は誰にも見えていませんけど、せっかくなので一緒に衣替えです!

誠の文字を背負ったシンセーングミとかいう、とある世界で活躍したグループのコスチュームになっちゃいました! 腰に帯びた刀がかっこいい!

さっそくですが!」


……さっそくもな?

「みたらし団子をいただいちゃいましょう!」

……ずるっともな!?



「むぐ。ふむむ……」

「ちっ! 静かにしやがれ! 声を出すんじゃねえ!」


「声を発する、ほどよい大きさの麻袋を抱えた怪しい男発見!

街の外へと向かっています!」

……ついていくけも!


「え〜。みたらし団子が食べたいですぅ〜」

……いくけも!!!

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