四十六羽 ☆ リュリュエル、前転!
「スライムくん、復活! 死んじゃってなくて本当によかったです!」
「ええ!? このスライム、キミの足にぬるっとすりついてる!?
テイムしたのかな? まあいっか!
スライムちゃん、さっきはごめんね!」
「いきなりエンジェリックア〜〜〜イ!
ナユ様の称号は!
<古代魔人文明ウシャの末裔 天空から落ちる真紅の一雫>。
ふぅわああぁぁあぁ! 期待感MAX!
スキルは……ありませんね?
でも、うっすら……。
とってもワクワクなお方のようです!」
「ワクワク? 何言ってるの? 街に戻ろうよ。
キミはヒーラーみたいだけど、ここは危ないから送っていってあげるよ」
「うわお! おやさしい!
ボク、一緒についてっちゃいます!
スライムくんもいいですよね?」
「プルプル!」
「じゃあ、行こうか! はわ!?」
「ナユ様! びたんと派手に転んでお顔が地面とチューしちゃってます!」
「あはは〜。うっかり転んじゃったよ」
「うわ〜! とってもにぎやかな街ですね!
屋台の串焼き、おいしそうです!」
「あはは! リュリュエル、よだれがやばくない!?
おなかもぐぅぐぅ言ってるし、ちょっと早いけどお昼にしようか!
お金持ってる?」
「ありませんから、おごってください!」
「あはは! 正直!
いいよ! おごったげる! あんまりお金ないけどね!
買ってこよう! はにゃっ!?」
「ナユ様! 飛び込み前転! これはもしや!?
ナユ様お一人に恥ずかしい思いをさせるわけにはいきません!
ボクも前転!
ナユ様、びた〜んとお顔が地面とチューしちゃってます!
ボクはスタッと!」
「うっかり転んだだけだし、別に恥ずかしくないからね!?」
屋台店主「ナユちゃん、今日の成果はあった?
おや、テイムしたスライムかい?
かわいいねえ! サービスしとくよ!」
「プルプル!」
住民「おう、ナユ!
赤いスライムたあ、珍しいな!
かっこいいじゃねえか!」
「プルプル!」
「スライムくん、うれしそう! 皆さんスライムなのにやさしいですね?」
「さすが、スライムダンジョンでにぎわってる街ってとこかな。
広場の噴水で食べようか! はひゃっ!?」
「ナユ様! いきなりトリプルアクセル!
ボクも続きます!
ナユ様、びた〜んと地面にチュー! ある意味、器用!
ボクはくるくるくるっと華麗に着地!
ここではっきりくっきり判明しました!
ナユ様! まさかのドジっ娘設定!」
「ドジっ娘じゃないもん!」
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