リュリュエル ☆ 爆誕の六

三十八羽 ☆ リュリュエル、獲得!

「リュリュエル! いつまでも泣いてないでよ!」

「ふぇ〜〜〜〜〜ん!」


「亜空間に入ってから、もう一年は経ってるわよ!?

よくまあ、泣き飽きないわ。

おかげで新技いくつかできちゃったわよ!」


「だって〜〜〜ボクの秘宝〜〜〜!」


「あんたのじゃないでしょ! ったく!

しょうがない……ひとつだけ、言うこと聞いてあげるから泣くのをやめて!」


「ぐすん。ほんとに、ほんとの、ほんと〜〜〜ですか!?」

「う! ま、まあね! は、早まったかしら???」


「やった〜! やった〜〜! やった〜〜〜リュリュエル!

フィスエルがボクの言うこと、なんでも聞いてくれるぅぅぅ〜!!!」


「小躍りするな! ステップ踏むな! スピンをするな!

なんでもじゃないわよ!? できることだけだからね!?」


「リュリュエルはスキル<泣き落とし>を獲得しました!」

「そんなスキルないわ!」


「じゃあ、フィスエル。ボクをぎゅぎゅ〜っとハグしてください!」

「ふぇ!? ハグ!? なんで!?」


「なんでも言うこと聞いてくれるんですよね?

拳の天使に二言はありませんよね?」

「そ、そうだけど!」

「じゃあ、はい!」


「だって、だって、だって!?

う、ううううううぅぅぅ!」

「フィスエル、まだですか?」

「もう! わかったわよ!

ほら! ハグよ!」


「あはっ! フィスエル、あったか〜い!

いいにおい〜!」

「ひふ!? にお!? く、くんくんしないで……恥ずかしい。

あんたの瞳って……右と左で輝きがちょっと違うのね」


「なんだかとっても安心。安らぎます〜」

「安ら!? あのその……もう! そろそろいいでしょ!?」


「え〜〜〜〜〜!

じゃあ最後に。

………………

エンジェ〜〜〜ルギフチュッ!」


「ふえ!? い、いいい、いま何したの!?」

「ほっぺにチュ〜しちゃいました!」


「ふぇ!!! ふぇわわわわ!?」

「あれ? フィスエルのお顔と全身が真っ赤っかです!」

「エンジェルフィスト!!!

効かないしっ!」




「フィスエルのハグ、うれしかったです!」

「さっきのあれ! なんか変な効果とかないでしょうね!?」


「さっきのあれってなんですか?」

「う! あれはあれよ!」


テンシテンシ! テンシテンシ!


「わたしのエンジェル懐中時計にアラーム音!

わたしの勇者候補にきっと何かあったんだわ!?

あんたのは鳴ってない!?」


「ボクはアラーム機能切っちゃってま〜す」

「アラームの意味! 切るな!」

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