三十六羽 ☆ リュリュエル、大団円!
「わ、私は一体?」
「王子様!」
「マリン姫ではないか!
おお、愛しの人魚姫よ!」
「キス百連発ですね!」
「アホか! ……好きなだけチュパチュパしてればいいわ!」
「フィスエル、うらやましいんですか?
ボクとチュ〜、しちゃったりします?」
「チュ!? なななな、何言っちゃってるの!?
そ、そそそ、そんなことしにゃはわわわわ!?」
「ふ〜ん……まあ、いいですけどね!
エンジェ〜〜〜ルハック&ギフト!
お二人にスキルを授けました!
愛の二重奏で、魔王軍の魔の手からシンカーイトシーを救ってください!
マーメイドソングをお願いします!」
「マリン姫、いいかい?」
「はい! 王子様!」
「「スキル<無限に響ゆく幻惑の愛歌>!」」
♪〜〜〜 ♪〜〜〜 ♪〜〜〜
「二人の歌声がすばらしいですね!」
「これこそ俺が求めた真実の愛の形!
ふ、ふうぅぅぅ! 俺の全身が愛で打ち震える!!!」
「王子様、緊縛されたままだけど!?
なにこれ!? 海が大きく渦を巻いてるし、海の生き物が集まってきたわよ!?」
「まるで壮大なミュージカル! これもまた愛! 最高だ!」
「ふぅわ〜! 鯛に平目の舞い踊り!
お魚おいしそうですね! ボクがお料理しましょうか!?
たっぷり隠し味を入れちゃいますよ!」
「やめて!? 絶対、食べないわよ!?」
「洗脳から解放された王国軍が引き上げていきますよ!
どっぷり人魚姫勇者様、緊縛王子勇者様、ここに爆誕!」
「王国軍側もシンカーイトシー側も、みんなして目が怪しく光ってるようなのは気のせい?」
「ああ! 人魚の都を救っていただき、王子様の愛を取り戻していただき、ありがとうございます!」
「戦になっていたら両国ともに弱体化したであろう。それこそ魔王軍の思うつぼ。
王に代わって感謝する」
「いいんですよ? 宴でも開いていただければ!」
「あんた、それ絶対、要求してるでしょ!?」
「ぜひ! 都をあげて感謝の宴を催します!」
「宴、楽しいですね〜!
お二人の幸せそうなお姿がお熱いですね!」
「海の中なのに花火ってどういうこと?」
「俺は感激しすぎて愛の涙が止まらない!」
「ねえ、ラブエル。たまには女子トークでもしない?」
「じょ!? なひゃはうわぅおぅ、きゃう!
わわわわわ、わたしが女子トークなんて、は、恥ずかしい……」
「ラブエル、そっちの方がかわいくて、かわいいですよ!」
「きゅう……」
「気絶しちゃったじゃない! 攻めすぎ!」
「あ! ボクおトイレいってきますね!」
「天使はトイレなんて用ないでしょ!?」
「え? ちゃんと出ますよ?」
「そうなの!? わたしが変なの!?」
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