二十羽 ☆ リュリュエル、幸せ!
勇者よ。
囚われの身となっていたわらわを解放してくれたこと、ただただ感謝するのみ。
「妖精女王さま、遊びたいだけの猫から隠れてただけですよね?」
「しっ! 余計なこと言うな!
あんなの来たら、誰だって隠れるだろ!?」
苦渋に満ちた日々を送っていた我らをよくぞ救ってくれた。
おかげで妖精郷に平穏を取り戻すことができた。
妖精たちも幸せを喜んでいる。
「ほんと良かったですね!
見渡す限り、平和な光景が広がってます!」
「どの光景を見て言ってる!?
あの地獄の番猫、妖精の寝床に寝転がって壊すし、テーブル踏みつぶしてるし!
じゃれるたびにいろいろ破壊してるぞ!
平穏とは!?」
「にゃんこも幸せそうですし、みんな幸せならいいじゃないですか!
エンジェリックア〜〜〜イ!
称号が変わってます!
<妖精と遊んで幸せいっぱい 妖精郷を守りたい仕事熱心な番猫>!」
「ちゃんと門番らしくなってるな。さすが番猫」
「この妖精郷を末長く守ってくれそうです。
つまり魔王の軍勢が来ても安心!」
「結局、壊滅しそうな気がするのは気のせい?」
「そのうち慣れます!」
「慣れるもの!?」
「魔王の配下を味方にできるなんて、マオ様お手柄ですね!」
「遊ばれてただけって言ったよな!?
はぁ〜。俺も幸せになりたい」
「大丈夫です!
マオ様の幸せも願ってるんですよ、ボクは!
まずは魔王を倒しましょう!」
「ほんとのほんと〜に思ってる?
魔王を倒さないと幸せになれないの?
リュリュエルくん、ちゃんと教えて!?」
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