十六羽 ☆ リュリュエル、万全!

「無責任だなんて失礼ですね、神様。プンプン!

ちゃ〜んとマオ様のこと考えてるんですからね!

リュリュエルはアフターケアも万全なんです!」


「なになに!? ここどこ!?」

「神様の神殿から転移してもらいました、マオ様!

ボクは10級天使のリュリュエルです!

ここは大森林フォレバストの奥地、最恐の魔獣たちがしのぎを削る魔境の森ですね!」


「唸り声がめちゃめちゃ聞こえるんだけど。

俺、もう元の世界に帰りたい……」

「死んじゃってるから無理です!

勇者生活を楽しみましょう!」

「いや、そんなニコニコして言われても」


「ほら、後ろで暗黒フェンリルがよだれを垂らしてますよ?」

「へ?」

「マオ様! 聖剣で戦ってください!」

「ひえええええ!?」


「マオ様の聖剣スラ〜〜〜ッシュ!

暗黒フェンリルの首をすっ飛ばしました!

かっこいい!

あれ? なんで倒れてるんですか、マオ様?

初勝利を喜びましょうよ」


「……さっきのと合わせて、身体中が痛い。動けない」

「全身の骨が粉々ですね!」

「粉!? 死んじゃうよ!?」


「大丈夫です!

エンジェルキュア〜〜〜!」

「……治った〜!」

「良かったですね!

ほら、今度はデスヘルベアです」


「こなくそー!」

「マオ様の聖剣スラ〜〜〜ッシュ!

胴体が真っ二つ!」

「き、筋肉が……」


「あれ? また倒れてます。

全身筋肉断裂ですね。

エンジェルキュア〜〜〜!」

「すっきり!」

「はい、ツインヘッドヘルスネークです!」


「マオ様の聖剣スラ〜〜〜ッシュ!

二つの頭がみじん切り!」

「苦しい……死ぬ……」

「相打ちで死毒を浴びちゃいましたね。

エンジェルキュア〜〜〜!」

「さわやか!」


倒すこと数十体。


「次、来てますよ〜」

「また!? たまにリュリュエルがモンスターを連れてくることない!?」

「やだな〜、ボクはたぶんそんなことしてませんよ?」

「たぶん!?」

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