「大丈夫？　これをあげるよ」

ファサ〜。

リュリュエルの大事なところを隠せるくらいのタオルをかけてくれたのは……。

新品のブロードソードを手に持った、オーバーオール姿のたくましげな男の子。

「キラッと光る白い歯がまぶしいっ！

けど、タオルが少し汗臭いです！」

「汗臭いか？　ごめんな」

「素直な少年じゃないですか！

さっそくですが、エンジェリックア〜〜〜イ！」

親指と人差し指で作ったハート越しに少年をのぞき見ます！

「ステータスは……根性値が高い！

称号は……騎士崩れの鍛治士の息子、鍛治士見習い。

将来の夢は父の代わりに夢を叶えること。

おー！　騎士の夢を閉ざされた鍛治士の息子！

道半ばの父の夢を叶える息子の物語！

いかにも勇者になるために生まれた少年ですね！」

「なんで、そんなこと知ってるんだよ！」

恥ずかしそうに声を上げる少年。

「お名前は……ユウ・シャニナールくん！

名前まで勇者まっしぐら！」

「俺の名前、どこで聞いたんだよ！？」

「父の夢を叶えるために、父の鍛えた剣を携えて武者修行の旅に出る！」

「俺の話、聞いてる？」

「魔王を倒すのはユウ様で大決定です！」

「勝手に決定しないでくれる？　俺の意見は？」

☆次回！　リュリュエル、初仕事！

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