自衛隊異世界の海へ!

呉かがいなづま

第1話 晴れの風

この日、太平洋上で第四護衛隊群所属の二隻の護衛艦が合同訓練をしていた。第四護衛隊群第四護衛隊所属の護衛艦かが、第八護衛隊所属の護衛艦すずつきである。


酒井「今日は良い天気だな。風も悪くない」


酒井洋介 海将補 第四護衛隊群司令


木原 巧「そうですね。合同訓練には最適な 日ですね。」


木原巧 一等海佐 護衛艦かが艦長


酒井「まさか君と一緒に仕事ができるとは思

わなかったよ」


木原巧「まぁ、同期幹部では同じ艦に乗るの は珍しいですからね」


そう、海自限らず陸、空自の特に幹部の人は全国に転勤しまくるため、基地内で同期はおるが、同じ艦で働くことは珍しい事である。


酒井「そういえば、君の息子も海上自衛隊に

入隊したんだよな。確かすずつき砲術士だったよな」


木原巧「ええ,昔から船は好きでしたが、まさか私の職業を選ぶとは思いませんでしたよ」


一方すずつきでは。


稲葉「砲術士、かがに進路と速力を伝えてく れ」


稲葉良 二等海佐 護衛艦すずつき艦長


木原匠「了解しました。こちらすずつき護衛

艦かがに伝える我が艦の速力は…」


木原匠 三等海尉 護衛艦すずつき砲術士


稲葉「さすが商船高専出身だ。落ち着きがあ る」


木原匠「ありがとうございます」


稲葉「まぁそんなに固くな、るな、ゆっくりとしようではないか」


木原匠「いえ、そういうわけには…ん?」


稲葉「?どうしたんだ」


木原匠「いえ、先ほど変な光が…」


稲葉「光?」


木原匠「あっあれです」


その光はまるで雷のような明るく、やがてその光が収まり、微かに空が歪んで見えた。この現象はかがにも確認された。


木原巧「航海員、レーダーの反応は」


航海員「レーダーの反応なし」


酒井「何なんだあれは」


その後、護衛艦隊司令に報告し、しばらく監視することになった。監視してると空間の歪みが激しくなり、やがて何かの形が現れた。


酒井「一体何が起きているんだ」


木原巧「群司令、あれは」


その形はだんだんと巨大な門に仕上がっていった。縦40メートル、横は50メートル位である。


稲葉「どんだけでかいんだ…」


木原匠「あれ?」


稲葉「どうした?」


木原匠「雨が降っている」


稲葉「確かにあの門の向こう側は雨が降って いるな、どうなっているんだ」


酒井「…こちらかが、すずつき艦長少しよろ しいか…」


酒井が護衛艦すずつきに連絡をした。


稲葉「こちらすずつき艦長、群司令どうしま した?」


酒井「これからあの門について話し合いた い。 かがに乗艦できるか?」


稲葉「了解しました。ヘリで向かいます」


その後、護衛艦かが士官室で協議を始めた。

もちろん艦隊情報群関係者、海上幕僚監部関係者とリモートでの協議だ。


協議の末、後日臨時編成される先行偵察隊を派遣し調査を開始、政府に報告し、自衛隊が派遣される法案を出されるまで、海自は警戒監視を続けることになった。


その1ヶ月後、政府がこの門に対する自衛隊の派遣及び調査に関する法案が成立した。


これにより護衛艦すずつき、うみぎりの派遣が決定、護衛艦かがは門に対して少しギリギリであり、また、年次検査によるドツク入りになった。先行偵察隊によれば付近に浅瀬があり、船が接岸できるように工事をすることは可。との見解であり、今は仮桟橋を設置している。


派遣される日


稲葉「それにしても今日はすごい晴れだな風も丁度いいな」


木原匠「そうですねまるで誰かに見守られる ようなそんな感じです」


稲葉「よし、門に入るぞ」


木原匠「はい」


稲葉「両舷前進半速」


木原匠「両舷前進半速」


こうして二隻の護衛艦は門の向こう側に向けて航行した。これが自分たちの世界とまだ何も知らないもうひとつの世界が繋がる瞬間だった。








〜艦艇紹介〜(初登場及び今後の登場艦艇 )


護衛艦かが

いずも型護衛艦二番艦

第四護衛隊群 第四護衛隊所属

母港:呉

ヘリコプター搭載護衛艦として建造され現在は戦闘機F-35Bを運用できるように改装された。


護衛艦すずつき

あきづき型護衛艦三番艦

第四護衛隊群 第八護衛隊所属

母港:佐世保

イージス艦(こんごう型)が弾道ミサイル防衛中の間を守るために建造された。対空戦闘向上のため艦中央にVLS16セル追加された。


航洋艦晴風

陽炎型航洋直接教育艦

横須賀女子海洋学校所属

母港:横須賀

横須賀女子海洋学校の中であまり成績がよろしくない人が集まる艦。しかし、その分それぞれの専門に特化した学生が集まる艦でもある。


〜登場人物〜(初登場及び今後の登場人物)


木原 匠

階級 三等海尉

職種 護衛艦すずつき砲術士

商船高専卒業後三井商船で働いた後、海上自衛隊幹部候補生に入隊し、現在に至る。海軍オタクである。


木原 巧

階級 一等海佐

職種 護衛艦かが艦長

防衛大学校卒業後海上自衛隊幹部候補生学校に入隊した後、護衛艦いなづま艦長を経験し、現在に至る。酒井とは防衛大学校と海上自衛隊幹部候補生学校との同期。木原匠の父である。


酒井 洋介

階級 海将補

職種 第四護衛隊群司令官

防衛大学校卒業後海上自衛隊幹部候補生学校に入隊し、護衛艦かが艦長を経験した後現在に至る。


稲葉 良

階級 二等海佐

職種 護衛艦すずつき艦長

国立大学卒業後海上自衛隊幹部候補生学校に入隊し、輸送艦おおすみ副長を経験し、現在に至る。


岬 明乃

横須賀女子海洋学校

役職 航洋艦晴風 艦長、委員長

幼い頃に両親を亡くし、小さな孤児院に入り、同じく両親を亡くした知名もえかとブルーマーメイドを目指す約束をしている。


宗谷 ましろ

横須賀女子海洋学校

役職 航洋艦晴風 副長 副委員長

代々ブルーマーメイドを輩出する名家・宗谷家の娘。3姉妹の末っ子であり、真面目な性格で苦手な科目はないという優等生だが、運が悪い性格である。



















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る