おまけ付きのまねきねこ
すみはし
おまけ付きのまねきねこ
「まねきねこあげます。おまけつき」
商店街の中では随分人気の骨董品店の前に、張り紙が貼ってあった。
その店の前には昔から随分大きな招き猫の置物がある。
「店長、前の張り紙なんなの?」
「いやぁ、店畳んで田舎に帰ろうと思ってね。母が病気で弱っちゃったもんだから」
「へぇ、ここも人気なのにもったいないね」
「それはこの招き猫のおかげなんだよ。俺の前の持ち主もこれ置いてからえらい儲けたらしいから。どう?持ってくには重いし、福を招くのはお墨付き」
「へぇ、僕んとこの店の売上も芳しくないからなぁ、くれるってんならいいかもしれない」
「あげるよ、ついでに運んであげる」
「どうも。ちなみにおまけっていうのは?」
「秘密。置いとけばすぐにわかるよ」
店主はにっと笑って、引っ越して行った。
それ以来、店は大繁盛だし大儲け。招き猫様様。
ただ、何故か夜中に足音がしたり、子供の笑い声が聞こえたりするようになった。
おまけ付きのまねきねこ すみはし @sumikko0020
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