ブラック・サファイア

マネー×マネー×マネー

　壺を売りたい？

　しつこいよ。

　たかが土くれに大金払うか。

　東洋人、頭おかしいな。

　あのな。

　貴族が買ってくれるのは「宝石」だ。

　宝石は大地の恵みなんだ。

　職人芸なんだ。レアなんだ。原石は。

　壺？　土だろ。

　原価いくらだ。

　そんなゴミ、高値で売ったら詐欺だ。

　＋

　あー。

　ルビーか。

　これはな。魔物の目を連想させる。ヴァンパイアとかな。

　あー。微妙。うん。

　これは魔術師ギルドに売った方がいい。

　サファイアか。青いんだよな。

　うーん。

　海に行きたくなる。

　屋敷を出られない貴族には可哀想だ。やめておけ。

　商人ならお守りに欲しがるかもな。海はロマンだ。

　＋

　アメジストか。紫は高貴な色。

　まあ、貴族に売った方がいいな。

　魔術師ギルドは微妙。

　ルビー→赤→火。

　サファイア→青→水。

　紫→？

　うん。

　何属性だよ。

　あー。

　オパールなら教会に売ってもいいな。白いから。

　＋

　ダイヤモンド？

　これは王家に売れ。宝石の王様だからだ。

　あー。

　目きらきらさせちゃって、まあ。

　宝石かい。

　これ分割出来ないんだよね。

　パーティープレイしてると悲惨。

　いやー。

　どこかに売ろうにも、冒険者かっつかつだから足元見られる。

　交渉役のシーフが、どやされるんだ。

　あーあ。

　こういう現実までは教えないよ。飲み喰いしてくれるお客さんだから。