騎士団哀歌

 あー。

 そうなんだよね。

 国民を守りたいと思う立派な奴は「騎士団」に行くんだ。

 お目目きらきらさせてね。

 素振り素振り。

 いやー。

 まあ。

 プレートメイルだからね。

 剣士では勝てない。俺も無理。

 いやー。あのさ。

 プレートメイル着て5日間の旅とか無理でね。

 大体、足遅過ぎるし。

 転んだらアウトだよ。

 分かる?

 転んだら死ぬ旅人。

 アイツら夜になったら鎧脱いでストレッチしてるし。

 いやー。

 戦争になったらどうしよう。


 +


 そうなんだよね。

 騎士団の方が「エリート」なんだよ。

 どっちが強いかは知らない。冒険者と。

 あー。やめておけ。

 相手は国王の軍隊だ。死ぬよ?

 あのさあ。

 剣で戦うって10分が限界。

 それ以上は腕が上がらない。

 騎士団を壊滅させるなんて無理だから。

 あー。

 魔法使いかい。

 ファイアボールの魔法でも一度に6人かなあ。

 1000人の騎士団なんか倒せないって。

 鎧はローブだし。

 あのね。

 魔法使いが本気になれば、飛行の魔法を使うと思う。

 国王陛下のお部屋に忍び込んで暗殺する。

 いやー。

 それでも簒奪は無理だと思うよ。

 飛行の魔法を使えるようなベテラン魔法使い?

 何歳だよ。

 お姫様と結婚出来るか。

 下手すりゃ父親より年上だよ。

 国民が認めないってばよ。魔法使いの王様なんて。

 魔法使いは在野にいるべし。これは「知恵」なんだ。

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