【完結】姉と妹にやられる、秘密の性教育

あかせ

第1話 ブラコンの姉と妹

 ある平日の朝。自室にあるアラームが鳴ったものの、鳴り終わるまでスルーした俺。このまま寝てたら遅刻するが、睡魔に勝てないんだよ…。


それからどれぐらい経っただろうか? 何やら部屋の前で声が聞こえる。


「お兄ちゃん起きてこないから、あたしが起こして良いよね? 美空みそらお姉ちゃん?」


「ダメよ。寝起きの男はデリケートなの。私が起こすから、美海みうは先に朝食を食べてなさい」


「えぇ~。お兄ちゃんが気になって食べる気にならないよ~」


「仕方ないね。それじゃ、一緒に起こしに行こうか」


「うん」


おいおい、姉ちゃんと美海が部屋に入ってくるだと? それは勘弁してほしいぞ。俺は仕方なく体を起こし、部屋の扉を開けて廊下に出る。


…2人ともパジャマ姿だが、髪はキレイに整っている。美海はミディアムボブ・姉ちゃんはだ。


「な~んだ、お兄ちゃん1人で起きちゃったよ…」


「そうね、残念だわ…」


「2人とも何でそんな顔するんだ? 起こす手間が減ったから良いじゃん」


「わかってないな~お兄ちゃんは。起こす時じゃないと部屋に入れないの!」


「昔は私達を普通に入れてくれたのに。大地だいちも思春期なのね…」


部屋の本棚には、表紙はもちろん内容がHな漫画がある。姉ちゃんと美海に見られたくないのは当然だ。


「俺が変わったみたいに言うけどさ、姉ちゃんと美海だって俺を部屋に入れたくないだろ?」


「そんな事ないよ。お兄ちゃんなら大歓迎♡」


「私も。 いつでも入ってきて良いから♡」


「あっ、そう…」



 これまでの反応でわかる通り。姉ちゃんと美海はブラコンだ。父さんと母さんは姉ちゃんが小さい頃に離婚しており、俺達3人は母さんに引き取られた。今もシングルマザーで俺達を育ててくれている。


そういう訳で、姉ちゃんと美海は俺以外の男と多く接してないと思う。だからブラコンになったと推測するが、詳細は2人にしかわからないな…。


「大地。急いで朝食食べないと間に合わないよ」


「そうだな」


自宅から美海が通う中学は近く、姉ちゃんが通う大学の講義日程は日によってバラバラだ。俺が通う高校はやや遠いので、朝は俺が一番忙しくなりやすい。


「お兄ちゃん急いで急いで~」


「わかったから、背中を押すな! 美海!」


俺達3人はリビングに向かう。



 リビングに向かうと、テーブルに俺達3人分の朝食がセットしてある。母さんの分は見当たらないので、先に食べて片付けたようだ。


…って、これ以上はのんびりしてられないぞ。俺は席に着いて食べ始める。


「この朝食の時間、大地と向かい合って食べるのは私よね?」


「そうだっけ? あたしでも良くない?」


「良くないから」


姉ちゃんと美海は、俺と向かい合って食事したがっている。なので各食事ごとに位置を交代するみたいだが、時にはこんな風に曖昧になったりする。


「大地は覚えてる? 私か美海か?」


「全然覚えてない」


本当は「どうでも良い」とか「どっちでも良い」などと言いたいが、言える空気じゃない。


「だったら、姉の私から再スタートね。今はお母さんがいないから、美海は斜め向かいが空いてるじゃない」


4人掛けのテーブルに座って食べるから、姉ちゃんの言う通りだ。


「次は絶対あたしだからね!」


美海はしぶしぶ俺の斜め向かいに座り、朝食を食べ始める。何が2人をそこまでさせるのか…。俺にはサッパリだ。



 朝食を済ませた後は、各自朝の準備を始める。その間に母さんは出勤していった。


3人同じぐらいのタイミングで準備を終え、玄関に集結する。


「大地・美海、忘れ物はない?」


「ああ、大丈夫だ」


「ないよ~」


「大地って、今日シフト入ってるよね?」


「入ってるよ」


「私も入ってるから、一緒に帰れそうだね」


俺と姉ちゃんは、同じファミレスでバイトしてるのだ。高校生と大学生の都合上、姉ちゃんのほうが長い時間働いている。


「お姉ちゃん良いな~。お兄ちゃんと一緒に帰れて」


「2年後になれば3人一緒になれるから、その時まで我慢して」


その時、姉ちゃんは大学3年・俺は大学1年・美海は高1になるから本当に可能だ。


「は~い」


「それじゃ、そろそろ行きましょうか。大地・美海」


「そうだな」


「うん」


俺達3人は揃って家を出た。

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