第一話 旅の始まり
「……何を考えているんだい?お兄さん。」
(白狐は、フッと口元に笑みを浮かべた)
「いやいや。こんな山奥に女一人だと大変だろうと思ってね。」
(白狐の言葉に、女は、クスッと笑う)
「寂しく……ないのかね?」
(白狐が尋ねると、女は、あっははと声を上げ笑った)
「寂しくないよ。お兄さんみたいな旅人が時々、来てくれるからね。」
(白狐は、食器を洗う手を止め、口元に笑みを浮かべた)
「なるほど……。でっ、その旅人達を喰らって暮らしているのかい?」
(白狐の言葉に、女の顔色が変わった)
「おっと……。俺を食うのは、やめた方がいい。」
(女の目付きも変わり、口元が大きく裂けていく)
(白狐は、クルリと女の方に振り向き、静かに、こう言った)
「ずっと、気になっていたんだ。この美味そうな匂いは、何だろう?って。やっと、分かった。この匂い………………。」
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