第一話 旅の始まり




はぁ……山を越えるというのは大変でございます。


いくら、山に慣れている狐とはいえ、もう五時間程、歩きっぱなし。


そろそろ、何処かで休憩したいものですが、こんな山奥に家などあるはずもなく。


やれやれ。(ポンポンと腰を叩く白狐)




おや?




……匂う。匂うぞ。


これは、美味そうな匂いだ。


(匂いにつられて、そちらへ歩いて行く白狐)

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