第21話  クラブ勧誘と僕の新作

 四月も半ばを過ぎて、部活道の勧誘会があった。

 もともと小さな学校だ。運動部では、サッカーが強いらしい。それ目当ての受験生がいるくらいと聞いた。


 後は、吹奏楽と演劇部が、都大会の常連なんだとか。


 あとは、同好会レベルの小さな部が幾つかあったけれど、みんな心引かれるものはなかった。


 二ノ宮からは、相変わらず演劇部のために新作を書いて、シナリオに書き下ろして欲しいと毎日言われてきたけれど、僕は、この前のテストの『17位』が信じられないほどダメージで、あれから授業が終わると速攻で家に帰って、復習、予習と猛勉強をしていた。


 兄貴も馨さんも、「一年の内からそんなに猛勉強をしなくても、まだ学校になれるところから始めろよ」と言ってくれるが、地元の中学で二桁順位なんて取ったことのない僕には、凄くショックな事だった。


 夜中にこっそり、SF作品を少しずつ、気が向いた時だけこっそり書いていたけど……


 今度は、ペンネームを変えた。挙げるサイトも変えた。

 本当にひっそりと勉強をしてるフリをして、気分転換に書いていたんだ。


 だけど今度は、見てもらえないんだ。

 麗子さんに教えてもらったpvはアクセス数のことレビューは、評価された数の事。


『桜散る中……』は、かなり読者に読まれていた作品であったらしい。


 サイトを変えたといっても、pvの見方はあまり変わらなかったから「??」僕には、理解が出来なかった。


 そして何故か二ノ宮に、SF小説のことがバレてしまうんだ。


「桜庭くん、今、『なりたい』で下手くそなSF書いてるでしょう?」


 僕は、ビックリした。

 二ノ宮は、ニンマリ笑って続ける。


「誰も読んでれてないんでしよう?」


 なんで分かるんだよ……。


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