第15話 初めて捨てるお弁当

 11時頃に帰宅すると、バイトから帰って来たばかりの長男が、ウーバーで注文した麺類を食べるところだった。家族ですっかり遅くなった。取り込んだまま部屋に散乱していた洗濯物を夫が畳み始めてくれたので、私は弁当箱を洗う事にした。

 弁当箱を開けると、ほとんど手を付けていない食べ物たちが入っていた。何だかとてもまずそう。匂いはまだ大丈夫だったけれど。生ごみ入れに入れながら、我が子がお弁当を残してくるのはこれが初めてだな、と感慨に耽る。いや、言葉がおかしいか。胸に来るものがあるというか。

 長男の幼稚園から始まって、次男の幼稚園、小中学校時代は遠足や試合の時くらいだったが、長男の高校3年間、そして次男の高校2年間、お弁当を作ってきた。次男は、作ったけれども学校に行かなかった事が何度もあるが、その時には家で食べたり、本人が食べられない時には私と長男で分けて食べたりした。こうやって、捨てるのは初めてなのだ。

 まあ、食べるの忘れてた!っていう、一口程のご飯が残っていたりする事は、実は2人とも何度かあったのだけれど。落としたのかと思ったよね、その時は。

 お風呂に入って、寝るのは1時半になってしまった。そういえば、出かける時に膝の上にペタッと貼っておいた膏薬はあまり効かなかったので、寝る時にはもうちょっと高級な方の湿布を貼った。ロキソニンの入っているやつ。はじめからこっちにすればよかった。けれども出かけている間は地べたに座る事もなかったし、家事をするよりも膝が痛む動作は少なくて済んだ。歩いてもそれほど痛くなかったのは幸いであった。それでも、寝ている時に寝がえりを打つと激痛が走り、なんだか熟睡できなかった。湿布が効いたようで、朝起きたらだいぶ良くなっていたのだが、まだ曲げると痛い。

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