亡き女神は死神に愛を告げる 〜クラットセム帝国戦記 Kratsem Empire War Chronicles〜

零5s4

亡き女神は死神に愛を告げる

序章

《クラットセム帝国》


 東、南そして北を大国と接している小国だが、今もなお現存する7国の中の1つ。なお、現存する比較的古い歴史書にもその名が残っているが、いつから存在しているのかは不明。


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 昔の話をしましょう。


 昔、世界は戦火に包まれていました。

 昔、世界は絶えず鉄の雨が降り注いでいました。

 昔、世界は百余りの国に分かれ、争いを続けていました。


 それは大きな動乱を呼び、市民は抑圧され、王は殺され、国は無くなり、国は分裂する。それが、この世界の常でした。


 昔、世界には『神』『英雄』『主』と様々に呼ばれた、今はもう忘れられた、神話や御伽噺として語られる、ある帝国の王女と、ある王国の王子がいました。


 昔、世界で彼らは自らの国から出て、新しい国を作り、世界を治めました。


 そして、国を四人の統治者によって分割する。

 これが、この世界に残っているすべての始まりの歴史。


 ここに記すのは、それよりもずっとずっと後の私の記憶。

 ここに私の記憶とある物語を、


 記そうと思う。

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