Web小説を書いてみて個人的に感じたこと経験したことの独り語り
霞花怜(Ray Kasuga)
1.私がWeb小説サイトに手を出した理由
遡ること五年前の私は、Web小説サイトへの投稿など微塵も考えていませんでした。
自分が伝奇時代劇という特殊で狭いジャンルの小説を書いていたことや、自分の書く文章が硬めで、気軽に小説を楽しみたい層が多いWebには向いていないと感じていたからです。
今でもそう思っていますが、そんな私が何故Web小説投稿サイトに手を出したのか。
幾つか理由はありますが、最たるはやはり、読者を身近に感じたかったからでしょうか。
大昔に何冊か書籍化の経験もありますが、「本当に読んでもらえているのだろうか」って思ってました。紙媒体は憧れだけど、よっぽど売れてないと読者の声なんか作家には届かない。
加えて、個人的な事情を話せば、書くことに疲れてしばらく書くことから離れていた私にとって、気楽に書いて気楽に発表できるWeb投稿サイトがとても魅力的に感じたのです。
だから試しに、Webに投稿してみよっかな、っていう欲が湧きました。
投稿しようにも、サイトって色々あるし、どこがいいのかなぁと迷っていました。なにせ知識なんてゼロだったので。
手探りで最初に考えたのは王道『小説家になろう』サイトです。
一応アカウント作りましたが、使い方がいまいちわかんない。すぐに挫折。
で、次にアカウントを作ったのがここ、『カクヨム』です。
カクヨムはワークスペースがめっちゃ使いやすい! 見やすいし途中保存もできるし管理もしやすい。
てなわけで、カクヨムをベース基地にして活動していこうと思ったわけです。
とはいえ、あの頃は何にも考えていなかったから、自分が書きたい話や過去に書いた話を手あたり次第アップしていました。
サイトの特性や読者がどんな話を期待しているかなんて、微塵も考えてはいなかった。
それでも反応は頂けて、嬉しいレビューなんかももらえて、駆け出しとしては上々だったと思います。
あの頃も今も、私の小説を読んでくださる皆様には、感謝しかありません。本当に有難うございます。
その後も、色々あった私はまた書くことに疲れて、一時Web小説も放棄していました。あれから二年くらい経った昨年暮れ頃、「やっぱりまた書きたい!」と奮起してカクヨムを開きました。
なんでまた書きたくなったのか。アマプラで散々アニメを見散らかして思ったからです。
「この程度でアニメ化してもらえるんなら、私が書く話の方が面白いぞ」
そう思ったからです。
「思い上がりだ、馬鹿が、死ね」と思ったそこのアナタ、大正解です。
でもこの時の私は本気でそう思っていたんですよね。
だから、もう一度書いてみようと思いました。
今度は、カクヨム読者が求める「異世界ファンタジー」系のお話を。
正直、今までの私の作家人生の中に「ラノベ」という文字はありませんでした。興味がなかった。でも、アニメを観て、小説を読んで、気が付いた。
「ラノベにはたくさんの可能性が詰まっている」、と。
盤石な世界観の中で展開される骨太なストーリーの異世界ファンタジーは存在する。そういう話を書いてみたい、と思うようになりました。
とはいえ、書いたことないのでね。いきなり面白い話が書けるとも思えない。だから、とりあえずありきたりな話から始めてみようと思いました。
それが連載中の『モブに転生した原作者は世界を救って、攻略対象と恋をする⁉』です。
最近よく目にする「モブ転生」「乙女ゲーム」「恋愛要素とバトル」「頭脳戦」「魔法と剣の世界」思いつく限りの異世界を王道的に取り込んだ物語。
主人公を可愛げがない頭でっかちにして、サブキャラを魅力的に描く。乙女ゲームって、主人公の人格設定は希薄だけど、攻略対象のキャラ設定は濃いですからね。でないとプレイヤーが感情移入できないし。
でもこれは乙女ゲームの世界をベースにした転生小説だから、あくまで物語の主人公は転生者のノエルであり、乙女ゲの主人公マリアはこの小説の中では脇役なわけです。
自分で書いてても思う。ノエル、全然可愛くない。その可愛くない主人公に読者が共感できるように工夫したのが「普通の人」。自分を普通の人だと思って疑わない、そこそこ能力の高い人。世の中にはそういう人、結構たくさんいると思います。
昔から指摘されていた事実ですが、私が書く話は主人公に魅力を感じない。脇役がとても魅力的なだけに、勿体ない。
そういう指摘は沢山受けてきました。今でも克服できません。
魅力的な主人公って何だよ。品行方正な優等生のことか?
どっちかっていうと、他人を虫けらを見る目であざ笑う性格最悪のチートキャラが私は好きだが(爆)。
そんな奴、主人公に出来ねーよ。
だからノエルには、自分本位な主人公でいてもらうことにしました。
「自分が作りだした世界が壊れるなんて絶対嫌、自分が生み出したキャラを傷つける奴は全員殺してやる」みたいな。
自分の理由優先で動く主人公。結果が誰かを救えばいいじゃない。
なんか脱線しましたが、そんなわけでまた私は、Web小説サイトに帰ってきて、書いたことのない新ジャンルに手を出したのでした。
しかし、現実は甘くない。書いたらすぐに読んでもらえるなんて、そんなわけはないのです。
しかも、異世界ファンタジー初心者の私が書いた話なんか、ウケる訳もなく。結果は何日もPV0が続く日々、という訳です。
それでもいまだに『モブ恋』を書き続けている理由。一番は、自分が書いていて楽しいからですが、他にも、Webサイトならではの理由があります。
それらについては、そのうちにまた語らせていただきたいと思います。
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