第2話 第一の扉 オーダー

雷に打たれた衝撃で頭の中が真っ白になり

状況をうまく呑み込めていない俺は

軽く口を開けてぼーっとしていた。


すると、なにやら目に光が走った。

違和感を感じた俺は目をそっと開けた。

そこには

大きい扉が目の前に立っていた。


その扉には文字が描かれているみたいだ。

[コノトビラヲアケルニハオノレノ

 ナマエヲコタエテミヨ]

その文字を見た瞬間、

俺は何か馬鹿にされている気がした。


しかし、頭に名前の一文字も思い浮かぶ

ことはなかった。

なんとか思い出そうと首を横に傾げた時

どこからか声が聞こえてきた。


“俺の中はこの名付け親ゲームの

 ゲームマスター トッドキングだ”

“この扉の合言葉である7つの文字を集めよ”

“7つの文字を集めるにはこれから案内する

 試練にクリアすることが必要だ”

“それでは準備ができたら

 [ 呪文の名前を並べると唱えてくれ]

俺はゲームマスターに従うがままに

 呪文を唱えた。

すると、体が宙へと浮かび、

 上に突如出現したホワイトホールに

  吸い込まれていくのであった。


[ここはいったい、、、]


何やら見覚えのあるレストランだ。

確か小さい頃に来たような、、

ともかくゲームマスターが言っていた

名付け親ゲームってなんだ?

聞いたことのないゲームに不安が高まる

その時、再びゲームマスターの声が聞こえた


“オーダーの間へようこそ”

“ここではあなたが店員になって

 お客様の注文とお客様の名前を覚えて

  答えていただき、名付け親である 

   ボスの正体を突き止めていただきたい”

(名付け親ゲームってそういうことか)

(名前覚えるのは苦手だが、やるっきゃない!)


“ではいってらっしゃいませ”

マスターがそう言い放った途端

俺の服装がタキシードに変化した。

そして続々とお客様が入ってきた。

どのお客様も服装が特徴的だった、


一人目はピエロのような真っ赤な衣装を

 身に纏い、可愛らしい目をしている男の人

二人目はアロハシャツが似合う

 爽やかな雰囲気がある女の人

三人目はマジシャンなのか大きな黒い帽子

 を被り、鋭い蛇のような目をした男の人

四人目は全身黄色の服を纏い、

 右上の左にJと書いてある男の子

五人目の人は黄色の目をしていて、

 三角の耳が頭に二つ、それから  

  頬の両端に髭がついている

   なんと二足歩行の猫が立っていた。

さすがに異様なお客様が入ってきたからか

 驚きを隠せなかった。

俺は入って来た順番にテーブルに案内した。

このレストランではテーブルに置いてある

タブレットで商品を注文するらしい

だから相手の顔を見て名前を覚えることが

難しい。

どうやら注文するときに

ニックネームを入力しなけれぼならない。

恐らくこの客の中にボスがいるのだろう。

早速、1番テーブルの注文が入った

エビチリと杏仁豆腐とアイスティー

2番テーブルの注文は

パイナップルとハンバーグのプレート

ナタデココとライチのゼリー

ホワイトサワー

3番テーブルの注文は

牛肉とアスパラガスのカレー

カボチャのプリン

レモンティー

4番テーブルの注文は

茶碗蒸し

バナナヨーグルト

アセロラジュース

5番テーブルの注文は

ツナマヨピザ

牛乳アイス

ココナッツミルク

以上で全ての注文が完了した。

1番テーブルに座るのは

スイソウ•タンサ

2番テーブルに座るのは

ニック•ロジャー

3番テーブルに座るのは

フォーカス•ドレイク

4番テーブルに座るのは

ノノコ•フルル

5番テーブルに座るのは

フォル•ビュッヒィー


ついに

1番テーブルの料理が完成したようで、

テーブルまで持っていこうと動くと、

突然、厨房の奥の方からロボットのような

物体が近づいてきた。

そして、料理の手前で止まると

 “お料理を背中に乗せてください”と

アナウンスが流れた。

よく見てみると大型の犬のロボットとだった

アナウンスに従って、料理を背中に乗せると

テーブルまで持っていってくれるようだ。

俺の役目は終わったのか?

 頭の中にはてなが浮かんだとき、

どこからかベルの鳴る音が聞こえた。


すると、天井から大きな手が飛び出し、

 俺を摘み上げて大きな手が出て来た空間に

吸い込まれた。

 摘み上げられていて、体に力が入らない。

どうすることもできない俺はそっと目を

閉じた。

その後、体が軽くなってきて、

体が思うように動くようになった。

ゆっくりと目を開けると扉の前に戻っていた


“おかえりなさい”

(ゲームマスターの声が聞こえた)

“では次の問いに答えよ”

“パンプキンを使った料理を注文した

  人の名を答えよ”

パンプキンは南瓜のことだから

南瓜プリンを注文した人物だ。

その人物は” フォーカス•ドレイク”だ!


(………その通りだ。)

ゲームマスターの声と共にベルがなり

俺は”フォ”を思い出した。


ほっとする暇もなく

また ホワイトホールに吸い込まれていくのであった、、、










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