第36話 お年寄り


「おー、賑わってるねぇ」

「賑わってるんじゃないんですよ!ポーションを買いに来てるんです!」

「お年寄りも元気だねぇ」

「そうなんですよ。病院に通うよりこっちの方がいいって噂になっちゃって」

「おお、そりゃ凄いね」

「で?ポーションは?」

「車の中に入ってるよ?」

「すぐ人を手配します!」

 ポーションは瞬く間に売れて行く。

「おお。凄いねぇ」

「冒険者も負けじと早くくるんですがやはりお年寄りには勝てなくて」

「あー、だから2回に分けたのか」

「声がでかいですって!」

「凄いね」

「ですね」

 人間ってなんでこんなに浅ましくなれるんだろうか。

「完売です」

「明日も買いにこようかねぇ」

「ここしか売ってないんですって!」

 あはは、笑いごっちゃないな。

「まぁ。2回に分けるのが正解だな」

「ね?」

 冒険者のために安く卸してるのにお年寄りに買われたらひとたまりもない。

 まぁ継続してればいつか飽きるだろ。

「薬草の方よろしくね」

「きょうはどこに?」

「荒川区のゆうえんギルドかな?」

「あぁ、あそこも人が入りにくくなってますからね」

「まぁ。攻略してくるさ」

「頑張ってください」

「じゃあね」

「はい、いってらっしゃい」


 車に乗ると荒川区に行きゆうえんギルドに入る。

「ここは攻略しても?」

「できればして欲しいです!!」

「分かりました」

 と中に入って行くと1階層からジャイアントスパイダーがいた。ここに攻略に来ている冒険者がいないのもしょうがないな。

 倒すとドロップするのは体力ドロップだ。

「ここいいじゃん」

 スピードドロップやパワードロップを落とす敵を倒して5階層に行くとキラーマンティス。速攻で倒すとレベルドロップというのが出た。これはいいと今日は周回することにした。大量のドロップをマジックバックに入れる。舐めているのはレベルドロップだ。


 ここは美味しいダンジョンだなぁ。

 次の日からもある程度周回したら先に進む。黒鉄の剣なんかがドロップするので先に進みたくてもなかなか進めないなぁ。

 最終的に50階層で終わりだったけど最後は白竜でレインボードロップをドロップした。全てが上がるようだ。

 宝箱からは金貨50枚しかなかったけどなかなかいいダンジョンだったな。先に進んでダンジョンコアを取ってギルドに戻ると泣いて喜んでくれたが、もっと早くできたんだけどごめんなさい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 忠野 健人タダノケント  23歳

 レベル 168(限界突破) 職業 忍者


 スキル 短剣術極 アクセル 雷光 追撃 鑑定 中級忍術 上級回復魔法 風魔法極 上級火魔法 中級土魔法 中級水魔法 中級光魔法 罠探知 罠解除 麻痺無効 毒無効 睡眠無効 黒龍の波動  裁縫 革細工

 ユニーク 疾風怒濤 一撃死無効

 称号 ラック限界突破

    ダンジョン踏破者

    ダンジョン攻略報酬(未)

    ダンジョン攻略報酬(未)

 装備 黒龍の外套

    白龍のダガー

    黒龍のダガー

    スピードピアス

    マジックバック(大)

    クロスベルト

    黒龍の胸当て

    黒龍のブーツ

             61550000リラ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 もうレベルも人じゃなくなって来てるな。

 攻略報酬のガチャを回すと料理と体術だった。料理なんか最近全然してないよ。


 レベルドロップを舐めながら車を走らせる。サーシャ達もレベルドロップを、舐めているな。

 葛飾ギルドに行き、薬草をたんまりもらうと家に帰ってポーションを作る。

 同時進行でいまはマジックバッグに挑戦している。

 出来が楽しみだ。

 マジックバッグと言えば最近は話題に出てこないし勇者達の話題もないな。


「こんばんわ」

“バッ!”

 無理無理ナースコールの線切ったから。

「何してんだか」

「な、なんのようだ?」

「いや、マジックバッグの行方はどうなったかなぁ?ってね」

「知らぬ!この身体にしたのは」

「自分だ」

「クソッ!なんで今私のところなんだ?」

「いや。勇者も最近見ないしまたなんかやってるのかなあって?」

「私はクビになった!だから警備すら居なかっただろ?」

「ふーん、ご愁傷様」

「お前には言われたくない!」

「あっそ、じゃーね」

「もうくるな」

「あ。そうそう。これあげるわ」

 と上級ポーションを置いていく。

「クソッ!なんのつもりだ!」

「ん?真っ当に生きろってことかな?」

 と夜の病院から抜け出して、ギルド本部へ。

「へぇ。1,000億円かぁ」

「は?」

「ん?マジックバッグの?売り上げ?凄い額で売れたねー」

「お前が近藤統括をやった」

「は?自分の玉で当たってりゃ俺じゃないのはわかるだろ?」

「は、何のようだ?」

「あ、早々、あのマジックバッグは未完成だから行っとこうと思ってね」

「は?そんなことあるか!あれは叡智の結晶だぞ?」

「あはは。まぁそのうちわかるよ」

「くっ!どうすれば!」

「じゃーねー!」


 そのうちは本当にすぐに来た。

 マジックバッグが壊れたとアメリカの企業が訴えたのだ。まぁ、当然だなぁ。

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