第19話 パーティーハウス


 サーシャは昼頃起きてきて、

「すまぬ。あまりにも寝心地が良すぎて寝過ごしてしまった」

「いいよ。昨日は色々合って疲れたんだろ」

「あ、ありがとう」

「いてっ!」

 なぜかミスティにつねられる。

「それよりこれからどうするつもりだ?」

「冒険者なるものになったのだからそれで稼ぐしかあるまい」

「だよな。部屋借りるならミスティも一緒に借りれば良いな」

「いやだ!」

「で、できれば我も一緒に」

「いやいや、若い男と女だからな」

「やだ!」

「わ、我もここに置かせてください」

 ミスティは怒るし、サーシャは土下座でお願いしてくる。

「わ、わかったから、頭を上げてくれ」

「よ、良かった」

「だめ!私の家」

「いやミスティの家じゃないだろ?」

「ふ。2人はそういう関係なのか?」

「違う」 

「マダなだけ」

「ほう。それなら私の方が勝てるな」

「違う!愛を育んでるだけ」

 うっ!なんか怖いのだが?

「ケント。我は尽くすのじゃ、選んでたもう?」

「ダメ!ケントは私の物」

「2人とも何で喧嘩してるんだよ!俺はマダ独身でいたいの!」

「「ブゥー」」 

 本当にもう!

「手強いのう」

「そう。手強い」


 とりあえずダンジョンに行くことになったので、サーシャの実力も見てみたいし、それにサーシャの武器や防具も見ないとな。

「なにもいらない?」

「そうじゃ、バリアを張るし、魔法ならこの通りじゃ」

 と雷魔法を出してモンスターを倒す。

今はパンツルックに春物のセーターを着ているが、これで歩いてたら目立ちすぎるだろ。

「んじゃせめて外套だけでも羽織ってくれないか?何も装備してないと逆に目立つから」

「分かったのじゃ」

 と画面をタッチしているようでリラで買っているようだな。

 紺色の外套を羽織っているので、それでよしとする。

 とりあえず1階層から攻略するが5階層まで1人で余裕だった。

「鑑定していいか?」

「しょうがないのう、ケントだからじゃぞ?」

 顔を赤らめているがそんな恥ずかしいことか?

 まぁ、いいや。鑑定、

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 サーシャルルザード2世 ???歳

 レベル158

 スキル 覇王 魔法全般 

 ユニーク 血界魔法 ハイヒューマン

 装備 常世の外套

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「強っ!」

「そうか?そうでもないぞ?」

「これで?嘘だろ?」

「我が父君の全盛期の半分にもならぬ」

「俺たちはいまレベル上げ始めたところだし、今んところ見た中で最強だよ」

 ま、まあ。俺がまだまだなのが分かって良いかもしれないな!

「おし!俺も頑張らないとな!」

「大丈夫じゃ、我が其方の敵を撃とうぞ」

「いやいいよ、俺の事は俺がやるし」

「そんな、我も手伝う」

「ん、あぁ、なら仲間としてだな」

「分かったのじゃ」

 そんな泣きそうな顔されたら。ね。

「よし。んじゃ、部屋探しに行こうか」

「「がーん」」

 2人とも古いよ。

 俺たちは今不動産屋に来ていてパーティールームを、探している、まぁ、ルームメイトだな。

「えっとこの近くですとこの物件かこの物件になってしまいますが?」

「いまから内覧出来ますか?」

「はい!それでは行きましょう」

 一見目はただの一軒家だった。よく言えばうるさくできる。よく言えば平凡だな。

 二件目はマンションだ。4LDKのデカいマンションだな。

 まぁ金はあるし二件目に決めた。

 即入居可能だったので良かった。

水道、電気、ガスに電話して、

 引っ越しはマジックバッグがあるから俺の部屋の荷物はすべて運んでしまった。

 あとは買い足すだけだな。

「おーい!買い物行くぞ!」

「はーい」

「はいなのじゃ」

2人を連れて家具屋にいくと、ベッドやテーブル。布団や椅子などを選ぶ。ソファーも買い替えだな。すぐには届かないようなのでしょうがない。

 次は家電だ照明はまず必要だから在庫のある中から選ぶ、冷蔵庫、洗濯機、コンロ、テレビも買い替えだ。

 あとは各々のものだな欲しいものはネットでも売ってるし買うだろう?

 

 電気と水道はすぐ通ったのでよかった。

 あとは照明をつけて完成だな。

「ここは俺の部屋だからな!侵入禁止だ」

「無理」

「なぜじゃ?我はケントを愛しておるぞ」

「それはダメ!ケントは私の!」

 ばちばちと喧嘩をしているが、

「俺はまだ決まった女は作らないの!」

「ケントは私の!」

「だから違うのじゃ!なぜそんなことを言うのじゃ?」

 あれを言わないといけないのか…

「実はな」

 俺は結婚を約束していた女がいた。一緒に住んで五年目に彼女の浮気が発覚、それでも俺を選んでくれると信じていたのに結局は破局した。

「だから俺は女は信用できないんだ」

「その女殺す」

「そうなのじゃ!行くのじゃ!」

「いやもう良いんだ、これはそっと蓋を閉じときたかったんだ」

「ケント」

「我は諦めないのじゃ」

「えぇー!!」

「我の愛は本物じゃから!」

「昨日あったばっかりだろ!信用できないんだ」

「そうか。それじゃあこれからじゃな!」

「私は信用されてるから大丈夫!」

 ミスティとは、ってそんなに長くないだろ!

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