現世にダンジョンができたので冒険者になった。

あに

第1話 最初の一歩


「うー。さむっー!」

 車が動かなくて立ち往生している。

 なんで俺が帰る時にこんなことになってんだよ。

 そろそろ動いてくれないかな?

 

 と思っていると、

「え、ええ!」

 前からどんどん車が横に跳ねていく?

 すぐにエンジンをつけてDに入れる。

 俺の前が横に飛ばされたのですぐアクセルを全開にすると前には大きな狼がいたのだが

ちょうど腕を登って頭に当たった、エアバックが作動するが、

「ウガウゥ」

 アクセルをもう一度押し込んで体当たりをするとオオカミは消えてしまった!

「え!えぇ!いなくなった」

 と思ったら『レベルが上がりました』とアナウンスのような声が聞こえた。

 とりあえず外に出ると狼のいた場所にドロップ品?が落ちていたので拾う。まさか俺が異世界モノが好きでもそれはないっしょ。

 でも車もベコベコだし。

「ステータス?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 忠野 健人タダノケント  23歳

 レベル3

 スキル アクセル 

 ユニーク 疾風怒濤

 称号 初モンスター討伐報酬(未)

    初ボスモンスター報酬(未)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「えっと…それより前が空いたから運転するか」

 車はベコベコなってしまったしエアバックも邪魔だが走れるからそのまま家に戻ると部屋に入ってニュースを見る。

「さっきのことをやってるな」

 えーと。ステータスをまた見て本物だと言う実感が湧いてきた。

 この(未)ってなんだ?

 押してみるとガチャの画面が出てきた。

「あぁ。ゲームみたいだな。いいのが出ますように」

 初モンスター討伐報酬を押すとガチャが回り『ラック限界突破』と出た。

 ラックか、これはどうなんだろう。

 続けて初ボスモンスター討伐報酬を押すとまたガチャが回る。

 『レベル限界突破』レベルに限界があったのか。

 えっ?俺はなにをしてるんだ?

 一応武器はある、狼からのドロップで出たらしいダガーだ。グリップのところに狼が模ってある。後は拳大の結晶のようなモノだな?これはどうするんだ?

 画面に近づけてみるとスッと入って行って一万リラという数字になった?

 これは?

 ネットショップみたいに使えるのかな?とりあえず色々と触るとショップ画面が出てきた。やっぱり防具だよな?

 一万リラで買えるものは限られていて黒狼の胸当てというものと黒狼のブーツというのが変えたので買ってみる。

 セット装備ボーナス…迅雷

 と出ている。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 忠野 健人タダノケント  23歳

 レベル3(限界突破)

 スキル アクセル 迅雷

 ユニーク 疾風怒濤

 称号 ラック限界突破

    

 装備 銀狼のダガー

    黒狼の胸当て

    黒狼のブーツ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 となっている。

 外を見ると、

「えっ!」

 モンスターと思われる物が闊歩している。

 た、倒すしかないよな?

 とりあえず外に出て見るとゴブリンと思われるモンスターが襲ってくるが遅く見えるのでダガーを使って斬っていく。

 後に残るのは結晶だったのでそれを拾って行く。

「キャアァァァァァ」

「あっ!助けに行かなきゃ」

 走って行くとなんとか間に合ったみたいだ、すぐにダガーを構えてゴブリンを斬る。

「あ、ありがとうございます」

「はい!家にすぐ戻ってください!」

「は、はい!」

 俺の周りにモンスターが集まっている気がするのは俺だけか?すぐに走ってゴブリンを斬っていくと、一際大きなゴブリンがいた。

 間に合わなかったか、人を食べているようだ。

 ゾッとして帰ろうかと思ったが足が動かない。見つかった?

 くそっ!動け足!

 思いっきり叩くと痛みで動くようになった。

 走りながら隙を窺うが。

『ゴオオオオオオ』

 雄叫びを上げるでかいゴブリン。

 一か八か!疾風怒濤!

“キュオォォォォォ”という音と共にゴブリンが動いていない!

「いまだ!」

 足を斬りつけそのまま、上に登って首を掻き切ると。そのままゴブリンが消えた。

「よっしゃあ!」

 大きなゴブリンからは鉄の剣がドロップした。これでリーチが長くなったな!

 剣に持ち替えてゴブリンを狩って行く。

 だいぶいなくなったな?

 見える範囲の最後の一匹を倒す。

『ゴブリン大隊の殲滅報酬(未)』

 と出ていたのでガチャを回すと、炎龍のダガーというのを得た。結晶を画面に入れると五千リラとなったのでダガーの鞘を買って腰の裏にバッテンに留めれるようにする。

 これでいいな。

 と言うかこれだけモンスターが出てるんだ、自衛隊は何をしてるんだ?もしかして出れないのか?


 ここら辺だけでもどうにかしないとな!

 とりあえず走って斬るを繰り返している。

 コンビニも誰もいないのでお金を置いて水を飲む。

「はぁ、はぁ、はぁぁ」

 本当にどうなってんだ?

 駅の方に行ってみよう!

 駅には人が何人か固まっていてモンスターと戦っていた。

「今助ける!」

 モンスターを蹴散らしてドロップを拾うと、

「なにがどうなってるんだ?」

 中年の男に声をかけられた。

「俺にもわからない、戦ってたらこちらにきた、武器は敵を倒したら手に入ったぞ」

「そうか。みんな、駅の方に向かうんだ。悪いが先頭を頼む」

「分かった!」

「いくぞ!」

 駅の中に入るとそこはモンスターでいっぱいだった。

「くそっ!疾風怒濤」

 周りながらモンスターを狩って行く。

 あちらもなんとか持ち堪えている。

 「これを使ってくれ」

 鉄の剣を投げ渡すとキャッチしたようだ。

 俺は腰にあるダガーを抜いてそれで斬って行く。

 足が軽い!動きが止まっているみたいに見える。

 またでかいゴブリンも出てきたがそれも倒す。さっきより余裕が出てきたみたいだ。

 駅の中もすっかり様変わりしていて壊されているが、人も数人助けられた。

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