クーデレな銀髪美少女に、生まれて初めて恋をしました。〜絶対にオトしてみせる〜

福猫

初恋

放課後の図書室、夕陽の差し込む窓際で、篠宮絵空しのみやえそらは妖精のような美少女と出会った。




この春、高校一年生になった絵空は、どの委員会に入ろうか悩んでいた。基本的になんでも高水準でこなせる絵空は、どの委員会に入ってもやっていける自信があったのだ。


部活動は友達にバレー部に誘われているのでそれでいいかなと考えている。こんな感じで、そこまでこだわりもない絵空は、委員会も適当に決めてしまおうと考えていた。彼女と出会うまでは。


「す、すみません。この本借りたいんですけど、図書委員さんがどこにいるか知ってますか」


こんなに人と話すのに緊張したのは生まれて初めてだった。目の前の美少女の吸い込まれるような瑠璃色の瞳に見つめられて、心臓が感じたことのないほどの鼓動を打つ。


彼女は、腰くらいまで伸ばしたシルクのようなきめ細かさがある銀髪、透き通るような瑠璃色の瞳。目はやや吊り目がちだか、童顔なのが相まって少しも威圧感を感じさせない。背丈は絵空よりも頭ひとつ分低く、女子の平均を下回っているだろう。


「、、私が図書委員」


返ってきた返事は、鈴のような透き通る声で、心地よい声音にさらに心臓がうるさくなる。とりあえず、返事をしなくては。


「そうなんですか、では、この本をお借りしたいんですけど」


そういうと、彼女は本を受け取り、受付のカウンターへと向かった。絵空もその後ろをついていく。


「あの、お名前はなんで言うんですか。入学式で見かけなかったので、先輩だと思うんですけど」


「、、一条詩音いちじょうしおん

「へえ、綺麗な名前ですね!」


なんとか会話をしながらカウンターに辿り着くと、今度はこちらが名前を聞かれた。本を借りるのに必要なようだ。


「私は一年の篠宮絵空です!よろしくお願いしますね、一条先輩!」


いい印象を持ってもらおうと、元気に自己紹介したのだが、詩音は無言で絵空を見た後、受付の記録に名前と日付を書き込んで、すっと本を渡した。


あまり好印象を持たれなかったかと落ち込みかけたが、表情に出すわけにはいかない。


「えっと、、ありがとうございました!」


本を受け取り、笑顔でそう言って絵空は図書室を後にしたのだった。




(ああ、まだ顔が熱い)


帰り道、絵空は先ほどの出来事に思いを馳せていた。こんな感覚になったのは生まれて初めてで、何が何やらわからなかった。


ただ一つ確信していることがある。自分は今日、生まれて初めて恋に落ちたのだ。


─────────────────────


初めまして、福猫です。

初めてのライトノベルの執筆で緊張しています。


事情があって、今年の3月中盤まで投稿頻度が終わってると思いますが、どうかご容赦ください。


私の処女作ですので、楽しんで読んで頂けたら幸いです。

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