星のない世界-Land in Cosmic -

テラホラ拓也

星のない世界

なにもかもが輝く場所、「コズミカル」。

此処コズミカルはいつも暗い。そして、沢山のヒトがいる。彼らの生態には、一つの特徴がある。彼らのには、周りの星が輝いて見えることだ。

 そして、色々な星達は、其処で生活している。皆それぞれに種類ジンシュがあり、それぞれに個性がある。誰かが、云った。「僕たちは、個性豊かだから輝くのだ。」と。


 さて、そんなコズミカルのはじっこに、いるのがランドでした。

 彼は、思います。「何をやっても駄目。」

 彼は、言います。「どうやっても輝かない。」

 どういうことでしょう?ランドは、周りから「輝いていない」としか、言われないのです。

 「やーい、真っ暗ランドー」

 「いつ見ても真っ暗だな〜」

 星々ヒトビトはいつも輝いていないランドのことをからかいます。

 ランド「いいよ。俺は、何をしても輝かないんだ。」

 彼は、いつもそうつぶやいていましたが、それでも彼は知っていました。諦めたくない自分がいると…

 ある日、彼のもとに何人か星が訪ねて、言いました。

 「おい、ランド。 お前、仲間が増えたこと… どう思う?」

 ランド「仲間? 何のことだい?」

 「あ? お前何も知らんの? お前と同じ、真っ暗〜なやつが居るんだってよ」

 ランドはそれを聞いて驚いた。自分と同じ星がいる。どんな星なのだろう。気になった彼は、その星に会いに行きました。

 ですが、ランドは肩を落としました。その星の名前はナンナ。彼女は、輝いていました。

 ランド「仲間がいるなんて嘘じゃないか。」

 周りを囲む星たちは、彼女を見て言います。

一人は、「いや~い。真っ暗なのが来たぞ〜」

するともう一人が、「真っ暗?こんなにも眩しく、輝いているのに?」

 他のヒトたちも同じように、彼女をと言うのと、と言うヒトがいるのです。

何が何だか。星々ヒトビトは、怒りながら自分が正しいと言い放ち、ランドはワケがわからなくなっていました。

すると、言い合いになっている星々ヒトビト余所よそに、ナンナがランドに声をかけました。

 ナンナ「大丈夫?凄く思い詰めた顔してるけど。」

ナンナの声にランドは、どう返すのが、正解かわかりません。

 ランド「俺、ずっとずっと皆から真っ暗って言われて、仲間がいるって聞いて、でも、間違いみたいだ…」

 そう言うと、ナンナは返しました。

 ナンナ「ああ、皆どっちかだけだと思っているの。だから、自分は、こっちだとしか言わない。私自身気にしてないけどね。」

 そう言い、ニカッと笑うナンナを見て、ランドは、呟きました。

 ランド「僕も、周りの言う事なんか気にしたくないよ…」

 それにナンナは返しました。

 ナンナ「なら、ホルサニーデに会いに行くといいわ。私も昔は、周りの声が嫌いだったの。でもあのヒトに会えて…変われた!」

 ナンナは力強くそう言うと、こう続けました。

 ナンナ「あのヒトは、いつも北にある教会にいるわ。」

 そう言い残すと、ナンナは帰って行きました。 ナンナの後ろ姿を見て、

 ランド「そのヒト、俺に会ってくれるかな?」

 ランドは質問しましたが、その声は彼女に届いてませんでした。

 ランド「俺なんかに…」ランドは未だ言い合っている星たちを見ました。そして、こう思ったのです。 「こんなのおかしい」と。ランドは教会に行くことに決めました。

 明くる日。

彼は北の方に向かって丘をのぼっていました。後ろを向くと、自分の町が一望できます。

そして、彼は、教会に辿り着き、その重い扉を、力いっぱい開けました。

 教会の奥に、大きな巣があります。そこに一羽の大きな星がいました。ですが今は寝ているようです。


 ランド「やっぱり、帰ろうか。」

ランドはそう呟くと、後ろを向いて歩きはじめた。

 ホルサニーデ「ランド、貴方なのですね?」

その時、ホルサニーデの声が聞こえた。荘厳ながら、優しさがある、心の中明るく暖かく感じる、そんな声だった。ランドは、振り向きこう尋ねる。

 ランド「お、起こしてしまいましたか?」

 ホルサニーデ「いいえ、ずっと待っていたのですよ。貴方が来るのを、」

  ホルサニーデの言葉に、ランドは驚きました。

 ランド「俺を?俺は色んなヒトから、嫌われているのですよ?そんな俺のことを待っていたなんて…」

 ホルサニーデ「それは、違いますよ。私は貴方を嫌っていません。どれだけ言われようと、ね…」

 ランド「周りは、いつも私を真っ暗だと言ってきます。でも、真っ暗とも、輝いているとも言われるヒトと会いました。」

 ホルサニーデ「ナンナのことですね?」

 ランド「なぜ彼女は、皆と違うのですか?」

 ホルサニーデ「それは、彼女自身が、変わろうとする意思を一番に考えるようになったからなのですよ。」

  ランドは首を傾げました。

 ランド「意思…ですか?」

 ホルサニーデ「えぇ。ヒトは物事の区別・判断を主観でしか、できないもの。貴方や彼女が周りからどう見えていようとも、貴方はそれをのです。」

  ランドはその言葉にまた驚きました。

 ランド「えっ!でも…皆の言う事は正しいのに、気にしなくていだなんて…」

  ホルサニーデは、その熱い眼差しを、ランドに向けて、こう言いました。

 ランド「あら、そうかしら?真っ暗だなんて言ってきたのは誰? 貴方と同じ、姿が違うだけで同じのヒトたちですよ。それに、私は、貴方のことがとても輝いて見えるのですよ。」


 ランド「俺が? …何で?」

 ホルサニーデ「私は、生まれてこの方、一度も此処を出た事がありません。ですが、この窓から街を一望していると、自然と貴方達の姿も、会話もわかるのですよ。そして何より、貴方のヒトとしての良さも。

 貴方は、ずっと暗いと蔑まれていたでしょう。ですがね、ずっと此処で貴方を待ちわびていたのですよ。そして伝えたかったのです。

 ということを…  」

 ランドはその一言で目頭が熱くなっていた。

 ホルサニーデ「貴方も、自分の良さがわかる日がいずれ来るでしょう。その時まで、またいらしてくださいね。」

 ホルサニーデは、喋り終えると、その熱い眼差しを放つ黒く優しい目を閉じて、眠りについた。

 ランドは、何も喋らず、一回お辞儀をすると、後ろを向いて扉を開けた。そしてこう思った。

 ランド「自分の良さか… ヘヘッ 何か気持ちがいいや。」

 その時、教会のステンドグラスに、ホルサニーデの物とは違う、まばゆい輝きがうつっていた。



                                    完

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