星のない世界-Land in Cosmic -
テラホラ拓也
星のない世界
そして、色々な星達は、其処で生活している。皆それぞれに
さて、そんなコズミカルの
彼は、思います。「何をやっても駄目。」
彼は、言います。「どうやっても輝かない。」
どういうことでしょう?
「やーい、真っ暗ランドー」
「いつ見ても真っ暗だな〜」
ランド「いいよ。俺は、何をしても輝かないんだ。」
彼は、いつもそう
ある日、彼のもとに何人か星が訪ねて、言いました。
「おい、ランド。 お前、仲間が増えたこと… どう思う?」
ランド「仲間? 何のことだい?」
「あ? お前何も知らんの? お前と同じ、真っ暗〜な
ランドはそれを聞いて驚いた。自分と同じ星がいる。どんな星なのだろう。気になった彼は、その星に会いに行きました。
ですが、ランドは肩を落としました。その星の名前はナンナ。彼女は、輝いていました。
ランド「仲間がいるなんて嘘じゃないか。」
周りを囲む星たちは、彼女を見て言います。
一人は、「いや~い。真っ暗なのが来たぞ〜」
するともう一人が、「真っ暗?こんなにも眩しく、輝いているのに?」
他の
何が何だか。
すると、言い合いになっている
ナンナ「大丈夫?凄く思い詰めた顔してるけど。」
ナンナの声にランドは、どう返すのが、正解かわかりません。
ランド「俺、ずっとずっと皆から真っ暗って言われて、仲間がいるって聞いて、でも、間違いみたいだ…」
そう言うと、ナンナは返しました。
ナンナ「ああ、皆どっちかだけだと思っているの。だから、自分は、こっちだとしか言わない。私自身気にしてないけどね。」
そう言い、ニカッと笑うナンナを見て、ランドは、呟きました。
ランド「僕も、周りの言う事なんか気にしたくないよ…」
それにナンナは返しました。
ナンナ「なら、ホルサニーデに会いに行くといいわ。私も昔は、周りの声が嫌いだったの。でもあの
ナンナは力強くそう言うと、こう続けました。
ナンナ「あの
そう言い残すと、ナンナは帰って行きました。 ナンナの後ろ姿を見て、
ランド「その
ランドは質問しましたが、その声は彼女に届いてませんでした。
ランド「俺なんかに…」ランドは未だ言い合っている星たちを見ました。そして、こう思ったのです。 「こんなのおかしい」と。ランドは教会に行くことに決めました。
明くる日。
彼は北の方に向かって丘をのぼっていました。後ろを向くと、自分の町が一望できます。
そして、彼は、教会に辿り着き、その重い扉を、力いっぱい開けました。
教会の奥に、大きな巣があります。そこに一羽の大きな星がいました。ですが今は寝ているようです。
ランド「やっぱり、帰ろうか。」
ランドはそう呟くと、後ろを向いて歩きはじめた。
ホルサニーデ「ランド、貴方なのですね?」
その時、ホルサニーデの声が聞こえた。荘厳ながら、優しさがある、心の中明るく暖かく感じる、そんな声だった。ランドは、振り向きこう尋ねる。
ランド「お、起こしてしまいましたか?」
ホルサニーデ「いいえ、ずっと待っていたのですよ。貴方が来るのを、」
ホルサニーデの言葉に、ランドは驚きました。
ランド「俺を?俺は色んな
ホルサニーデ「それは、違いますよ。私は貴方を嫌っていません。どれだけ言われようと、ね…」
ランド「周りは、いつも私を真っ暗だと言ってきます。でも、真っ暗とも、輝いているとも言われる
ホルサニーデ「ナンナのことですね?」
ランド「なぜ彼女は、皆と違うのですか?」
ホルサニーデ「それは、彼女自身が、変わろうとする意思を一番に考えるようになったからなのですよ。」
ランドは首を傾げました。
ランド「意思…ですか?」
ホルサニーデ「えぇ。ヒトは物事の区別・判断を主観でしか、できないもの。貴方や彼女が周りからどう見えていようとも、貴方はそれを気にする必要がないのです。」
ランドはその言葉にまた驚きました。
ランド「えっ!でも…皆の言う事は正しいのに、気にしなくて
ホルサニーデは、その熱い眼差しを、ランドに向けて、こう言いました。
ランド「あら、そうかしら?真っ暗だなんて言ってきたのは誰? 貴方と同じ、姿が違うだけで同じの
ランド「俺が? …何で?」
ホルサニーデ「私は、生まれてこの方、一度も此処を出た事がありません。ですが、この窓から街を一望していると、自然と貴方達の姿も、会話もわかるのですよ。そして何より、貴方の
貴方は、ずっと暗いと蔑まれていたでしょう。ですがね、ずっと此処で貴方を待ちわびていたのですよ。そして伝えたかったのです。
貴方の良さを知っている者が一人でもいるということを… 」
ランドはその一言で目頭が熱くなっていた。
ホルサニーデ「貴方も、自分の良さがわかる日がいずれ来るでしょう。その時まで、またいらしてくださいね。」
ホルサニーデは、喋り終えると、その熱い眼差しを放つ黒く優しい目を閉じて、眠りについた。
ランドは、何も喋らず、一回お辞儀をすると、後ろを向いて扉を開けた。そしてこう思った。
ランド「自分の良さか… ヘヘッ 何か気持ちがいいや。」
その時、教会のステンドグラスに、ホルサニーデの物とは違う、まばゆい輝きがうつっていた。
完
星のない世界-Land in Cosmic - テラホラ拓也 @toyo0706
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます