とある日のこと
大和滝
本屋にて
絡花恵にあるBEALという大きいデパートの中にある本屋。今日は十希が1人で立ち寄っていた。
「何か面白そうな本はないかしらね。先月読んだ推理小説は面白くて、徹夜で読んじゃったわ。まあ授業は全部寝ちゃったけどね」
十希はオススメの小説がたくさん置いてある棚を眺めている。
「今月は恋愛小説が読みたい気分ね〜。あら、この小説は表紙がきれい。これでいいわね」
十希はだいぶザッパリしている。恋愛小説というジャンルだけを見て、興味を惹ければそれを手に取るような行動だった。
「帰りにはなんか食べて帰ろうかしら…、めんどくさいわね。すぐ帰って寝ましょ」
十希は一冊の本を持ってレジに行こうとすると十希の目には一冊の雑誌がうつった。
「ピアノの楽譜集。こういうの、私も持っててもいいかもしれないわねぇ」
雑誌を手に取りパラパラとめくると流行りの曲がピアノ用の楽譜で採譜されていた。
「あら、この曲もあるのねぇ。買ってクラリネットで吹いてみようかしら。練習して聴かせたら陽介もきっと驚くわね。あ、でもピアノの楽譜とクラリネットの楽譜では確か音が違うんだったわね。まあ、そういうのも勉教してみようかしら」
十希はその雑誌を閉じて小説と一緒にレジに持って行って会計を済ませた。青いレジ袋に入れられた二冊をぶら下げて十希は歩いた。
「まさか自分で楽譜を買うなんて思わなかったわね」
十希は千寿村とはかけ離れた都会を1人歩きながら呟いた。そしてバス停で雑誌をチラッと見て静かに言った。
「家に帰って寝るのは無しね」
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