日常に溶け込む “違和感”―10
放課後。
本日も特にこれといった問題も無く、授業を終りを迎える。
生徒たちは各々のやるべきことをすべく、HRを終えた教室から移動していく。
ミカサも帰りの仕度を整えて教室から玄関へと向かっていく。
玄関には先にマキナが待っており、ミカサに気づいて視線をそちらに向ける。
ミカサ:「ごめんマキナ。待った?」
マキナ:「大丈夫、そちらは問題無いのかミカサ?」
ミカサ:「こっちは大丈夫。ちょっと理科の熊丸先生に軽く用事を頼まれたけども
それも済んだから」
じゃあ行こうか!と促し靴を履き替えて外に出るミカサ。
それに応じる様に後へと続くマキナ。
校門まで移動するとミカサはマキナに朝から抱いていた疑問を投げかける。
ミカサ:「マキナ。どこに行くの?」
マキナ:「実はCDを買いたいんだ」
ミカサ:「CD?どんなの?音楽サイトとかで購入できないもの?」
マキナ:「ゲームサントラと言うもので知人から『ニホンで買うものはまずレトロのゲームとサントラ!!』
と言われて・・・・・そういったものがよくわからないからミカサなら知っているかもしれないと思って」
なるほど、と納得の様子を見せるミカサ。
彼女がゲームなどに関心を持ったことは意外でしかもそれを促した人物は相当な
ゲーム好きかもしれないと独りで納得していたが
それ故に新たな疑問を湧いた。
ミカサ:「なんで急にゲームサントラ?というかマキナはゲームはしたことない?」
マキナ:「したことはない。その手の物とは無縁の生活を送っていたから」
ミカサ:「・・・・・・・」
その返答にミカサは一瞬、沈黙する。
彼女の過去に関しては気にはなるがデリケートな話題である為、具体的には話題には避けていた。
特段、理由がある訳ではない。
だけどもそれを指摘するのは悪い事ではないのかとそんな疑問がよぎったからだ。
ミカサ:(まだひと月も経っていないけど、マキナのこと全然知らないんだなって・・・)
どこか寂しさを思うと同時に違和感というか新たな疑問を浮かべるミカサ。
マキナがどこかの組織に属しているのはわかるがそれが何なのかやどうして自分を
守るのかなどだ。
ミカサ:(私自身が知らない私の何かがあるってことなのかな?)
考えたことも無かった。
昔からゲームやパソコンに触れていたこともあってかデジタルに関しては
人並み以上の知識などはあると思っていたが
自分に何かしらの特殊なモノがあるとかは特に思ったことはなかった。
それ故に私は狙われたのだろうか?
ミカサ:(どうなんだろう・・・ホントにわからない)
マキナ:「どうしたミカサ?調子が悪いのか?」
表情に出ていたのか。
棒立ちしていたのが気になったかマキナが声を掛けた。
しかも気付けばマキナがかなりの至近距離まで近づいていることも気づいたミカサは少し気恥ずかしさもあったのか若干キョドってしまう。
ミカサ:「え、あ・・・だ、大丈夫だよ・・・!」
マキナ:「そうか?顏が少し赤いが?」
ミカサ:「大丈夫大丈夫!さ、日が暮れちゃうから行こう行こう!!」
促す様に速足で繁華街の方へと歩むながら手招きするミカサ。
マキナも若干首を傾げたがすぐにミカサの後へと続く様に歩いていくのだった。
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