※本編で語られなかったQ&A その2 ※7/29_1個追加

 2章傭兵騒動編で出てきた要素についての設定語りです。

 もし続きを書くことになった場合、唐突に変更される可能性も高い部分なので、話半分に読んでもらえたらと思ってます。

 他何か説明が必要なこととか思いだしたら、そのうち追記/修正するかもです。



Q1:あの後ドヴェルグ傭兵団どうなった?

A1

 案1:マジでおっさんが撃ち落とした。

 案2:おっさんが助命と引き換えに仕事押し付ける。後の超武闘派輸送団、小人運輸爆誕のきっかけとなる。

 今考えてるのはこのどっちか。現状案1寄りだけどこの後触れることもほとんどないので、もし出てきてほしくなったらしれっと案2のパターンで出てくる。

 見逃されたんだよー的な回想付きで。

 なお案1の場合、ダンデスは一緒に死ぬ。そんでムジカたちはこの事実を知らない。どうでもいいことだからラウルは教えない。




Q2:ムジカが肋骨へし折るくらいアレな<ダンゼル>、なんでダンデスが使えたの?

A2

 傭兵騒動編2章幕間で触れてるけど、<ダンゼル>にライフサポートシステムが組み込まれた。

 そのためノブリス内部の人間への耐G性能が上がってたりショックアブソーバー積んであったりと、ムジカが使ってた時より遥かに使いやすくなってた。

 その分微妙に性能も落ちている。共振器に制限が駆けられて、魔力過供給して吹っ飛ばしたりとかもできなくなってたりしてる。

(その上で二章幕間でやってたとおり、他のノーブルはまともに使えないような滅茶苦茶な機体だった)


 ダンデスがどうにかこうにか使えてたのは、ドヴェルグが騒ぎ起こすまでダンデスにエネシミュやらせまくってたから。

 恨みつらみこじらせて獄中ずっと<ダンゼル>の訓練してた中で、死に物狂いで突っ込めば意外と形になると気づいた結果がアレ。




Q3:盗まれた<ダンゼル>、あのあとどうなんの?

A3

 盗まれた機体はもう帰ってこない。案1ルートならラウルが一緒に沈めてる。

 機体データ自体はアルマが持っているので建造自体はできるが、魔道機関がないので再現不可。

 そのうちどっかからなんか変な魔道機関もらってきて再建されるかもしれないが、しばらくはデータだけの状態。

 ただし次の<ダンゼル>は“レヴナント”の要素も組み込まれるので、たぶん前以上にムジカにしか使えない機体になる見込み。




Q4:結局“管理者の血統”の“未来視”ってなんなの?

A4

 未来が見える力、というと聞こえはいいが、ラウルが言った通り勘や妄想と大差のないレベルから、未来予知レベルに見える人まで様々。

 レティシア・ジョドスンの場合だと、時々“こうなるんじゃないかなあ?”、“こうなりそうだなあ”という予想、予見のレベル。

 それも見たいときに見ようとして見えるものではなく、ついでに言えば干渉可能なので仮に未来が見えたとしても、外れることもままある……が、そこまで遠い結果にはならないことのほうが多い。

(1章強制入学編でメタルの巣を発見できたのがそれ。最近のメタル襲撃頻度増加の原因、何か見つかりそうだなあ……って探しに行ったらホントにあった。

 この時はそこまでしっかりとは見えてなかったので、ムジカの負傷までは予見出来てなかった)


 そんで今回はたまたま二人とも“よく見えた”。その上で先に未来を見通したレティシアが干渉したこと、干渉後の未来を見たジョドスンが先まで見通せなかった結果、あんなことになった。

 ちなみに管理者の血統の力は世間一般には伏せられてる。ムジカが知ってるのはほぼ関係者だから。


 あと今回リムを攫うことに決めたのはジョドスンだが、そのきっかけはとある人物がとあるタイミングでやったとある仄めかしのせい。

 つまりムジカを殺す依頼のためにドヴェルグがやってきたこと自体はともかく、誘拐騒動が“あの形”になるよう誘導したのはあいつ。

 利用したって言ったのはその辺りからの発言。




Q5:幼いころ、クリムヒルトは跪くムジカになんて言ったの?

A5

 6-10-2でも少し触れてるが、彼女はムジカに“助けて”と縋りついた。

 ムジカはそれを請け負ったが、当日の決闘の際にはその辺が怒りですっ飛んだ。

 優先順位が完全に ドリスぶっ殺す > クリムヒルト助ける になっており、ノブリス“ジークフリート”破壊が何を引き起こすかも考えてなかった。

 これがムジカの後悔の一つ。

 なお結果だけ見ればクリムヒルトの願い自体は達成されているので、リムはこの点に関してムジカの後悔を知らない・理解できていない。

 人からすればどうでもいいところに変な後悔とか負い目をたくさん抱えてるのがムジカという人間性。




Q6:ムジカがリムを呼ぶときの“あなた”“お前”の使い分けの基準は?

A6

 相手をクリムヒルト=自分の主として見ているかどうか。なのでリムがクリムヒルトとして振舞ったとき限定の呼び方。

 リムも“クリムヒルトであること”を完全にやめているため、ムジカも滅多に“あなた”とは呼ばない。

 そもそもムジカはラウルとクリムヒルトの従者なので、故郷を出奔するまでムジカは敬語キャラだった。

 ただし故郷を連れ出されて「傭兵やるかー」ってなったときに、ラウルとリムから敬語禁止令が発令。

 “家族”として接することを強要されるうちに、あんな感じの口調に落ち着いた。

 今ではどちらかと言えばそちらのほうが素に近くなっている。




Q7:エフテイル三兄弟のノブリスの名前の由来は?

A7

 三匹の子豚の豚の名前。

 冷静かつ合理的な長男がファイファー。冷静かつ合理的とか言って後ろで最低限しか仕事しない怠惰な長男豚。

 抜け目なく要領のいい次男がフィドラー。必要な分だけ必要なことすりゃいいじゃんってタイプの、ほどほどに頑張る次男豚。

 堅実で実直な三男がプラクティカル。前衛とかいうヘタしたら一番真っ先に死ぬ大変な仕事押し付けられてる実直な三男豚。

 ちなみにエフテイルはフェアリーテイル=童話の略。

 たぶん当主のノブリスのモチーフはオオカミ。




Q8:セシリアのオーホッホッホなアレはなに?

A8

 趣味……とかではなく、彼女の姉がいい意味で(悪い意味で?)甘やかした結果。

 セシリアの出身島ではノーブルの嫡子は長子ではなく、魔力の能力が一家で一番優れた者が選ばれる。

 んで、セシリアが長女より魔力量が多いということで、嫡子の座を分捕る結果に。

 ただ姉のほうはセシリアにダダ甘だったおかげで特に諍いもなく、むしろ「蝶よ花よ私の妹ノーブルよ」と甘やかしまくった。

 そんなある日、セシリアは姉から当主の座を奪ったことを知り、“姉の座を奪ったのだからよりよいノーブルであらねば”と一念発起。

 姉も姉で「じゃあお姉ちゃん応援するね!」的にセシリアの暴走に加担、応援しまくった。

 結果、志は立派だけど見た目がアレなノーブルが爆誕した。


 ちなみに6-1章でセシリアの<ナイト>整備中、手を振ってたのがセシリアの姉。

 いわゆるアレなお姉ちゃん枠。ちょこっと出番がある予定だったけど、話の邪魔になったので6-1章の出番が削られた。




Q9:アーシャの戦闘能力って実際のところどうなの?

A9

 1章強制入学編では本当に素人レベル。ノブリスに乗ったのが初というわけではないが、戦闘訓練はほとんど積んでこなかった。

 その後の2章傭兵騒動編ではエネシミュでみっちり訓練した結果、学生(低学年)の中ではマシレベルになっている。

 ただ問題はエネシミュのチュートリアルのクリア時間。

 ムジカが終わらせるのに二週間はかかると言ったのは、ムジカがクリアするのにかかった時間がそれくらいだったから。

 それをアーシャは一週間でクリアした。できてしまった。

 現状は大したことないというだけで、メタル襲撃で最後まで生き残るなど才能の片鱗はみせていたし、ほっとくとヤバいやつ入りする(予定)。

 なので警護隊もポテンシャル採用。今後の活躍に期待。




Q10:レティシアの“ブーケ”の“再封印”ってなんのこと?

A10

 ノブリスのほうの“ブーケ”自体は特に何もなく、問題なのはガン・ロッドのほうの“ブーケ”。

 ガン・セグメントは本体から一定量の魔力を供給された後に分離、供給魔力を利用して自立稼働するが、実はこれがヤバい。

 あの世界は(今のところの設定として)“魔力を保持する”という装置が魔道機関しか存在せず、通常の魔道具は浮島から直接魔力を受け取るか、使用者の魔力を吸い取るかのどちらかで稼働している。

(いわゆる魔力貯めとくバッテリーとか電池がない……この設定大丈夫かなーってとこもあるので確定ではないです念のため)

 が、ガン・セグメントの技術だけはこの“魔力を保持する”機能を実現してしまっている。


 これの何が問題かというと、この技術ツリーを伸ばしていくと、魔道機関に頼らないノブリスが作れてしまう = ノーブルがノーブルとしている意味がなくなりかねないこと。

 <ナイト>の量産が可能になったことで、当時<ナイト>級ノブリスを受け継いできた貴族は没落した。

 それ以上の権威破壊が起こりかねないということで、“ブーケ”の技術は公表されず、封印指定が施された。

(下手したらノーブル = 充電器 = 奴隷扱いになりうる可能性も。が、便利だったのでレティシアが勝手にランク戦で使い倒した)


 ちなみに1章強制入学編で、レティシアが超大型メタル消し飛ばした時のガン・ロッドもこれ。

 本気の際には他の機能が解放されるなど、超危険物。

 今回はオーバーホール後の試運転という形で持ち出したが、本来は有事の際のみしか使用許可が下りない。

 アルマのやらかし発明の一つであり、アルマが研究班を与えられた理由の一つでもある。

(ほっとくと何作るかわからないから、監視のための檻代わり。これまではレティシア・ヤクトと同じ研究班の所属でありそこで冠詞が行われていたが、独立はアルマ自身の希望でもあり、レティシアも彼女の才能を誰かの下で腐らせるのはもったいないと考えたため独立が許可された)




Q11:ムジカとレティシアの関係、この後どうなんの?

A11

 とりあえず現状、ムジカはレティシア(と、ラウル)に激おこ。

 仕事と言ってリムを連れてったこと、ラウルからは了承を得たと言ったこと、直後に勃発した誘拐事件、管理者の血筋、という一連の要素から、この二人が何か仕掛けたことに勘づいてるため。

 が、その仕掛けた理由がムジカの生存のためであることは知らないので、ラウルがその辺そのうちバラす。

 三章開幕はたぶんこの辺りの話から始まる。つまり三章のメインはレティシア(と、アルマの予定)。


 ちなみにレティシアは最後のほうで「私を憎んでる人と話をしろと?」なんて言ってるが、これは実際ホントにブルってた。

 その後はと言えば、いつか話をしなきゃいけないしさっさと話をしたほうがいいけど、覚悟がつかなくて……とズルズル先伸ばしにしてる。 




Q12:ムジカのエネシミュの“超えるべき壁”、“対グレンデル”は説明あったけど、“対メタル群想定”の中身は?

A12

 ムジカの父、バレル・ジークフリートが死んだ、メタルの巣襲撃事件の再現。

 バレルが死んだのはドリス・ジークフリートによる“誤射”が原因だが、それとは関係なく父バレルに追いつくための訓練として設定された。

 最初は父と同じノブリス“ジークフリート”の再現データで、クリアした後は“レヴナント”で何度も何度もムジカは訓練してきた。

 ただしあくまでエネシミュはメタルの学習機能を再現できないので、これをクリアしてもムジカは父に追いついたとはかけらも思っていなかった。


 本当にムジカが父を超えたと実感してしまったのは、超えてはならない――超えられるはずのない“超えるべき壁”を本当に超えてしまったその瞬間。

 復讐を果たし故郷を追われた“ムジカ・ジークフリート”の、最後のやり残しを終わらせてしまったその日、彼の少年期もまた終わった。



※7/29追加

Q13:ムジカってマジで単騎で浮島グレンデルの全ノーブル相手にできるの?

A13

 あくまでエネシミュ上は成功した、というだけの話。

 より正確には1対全員で「よーいドン」ではなく、ムジカがグレンデルの警護隊(数名程度)に奇襲を仕掛けたところからスタートなど、ある程度現実に即した条件下で成功したというだけの話。

 エネシミュ上では再現できない、完璧な連携や死なばもろともの自己犠牲などは全く考慮されていないので、半ば机上の空論でしかない。

(ただしラウルは実際にムジカが“やらかした”時には、全滅まで行くかはともかく大惨事になることは確信していた。

 その上で、ムジカは結局4年間、クリムヒルトが危険に晒されるまで復讐を実行に移せなかった。

 ラウルがムジカを“甘ちゃん”と言ってるのはこの辺も含まれてる。父の仇がすぐ傍にいても、ムジカは自分のためだけには動けなかった)


 ※あと投稿直後は書き方間違ってましたが、“対グレンデル”にラウルは含まれてません。(6‐10‐1の文章は一部修正してます)

 ムジカでも「ラウル+デューク級ノブリス“グレンデル”」の組み合わせは無理。そのためドリスを殺すときはラウルに邪魔されないタイミングで、と決めていたので、最初からラウルは勘定から除外されていた。

(命の恩人ではあるので、もしことを起こす際には巻き込まないようにしようともしていた)


 実力的には「ムジカ+“レヴナント”」対「ラウル+<ナイト>」でほぼトントン。実戦だとムジカ側が詰みに近い千日手になる。

(グレンデル時代に一度だけ、ムジカ対ラウルで模擬戦をやったことがある。

 ムジカの攻撃はラウルの“先読み”でほぼ完全に無効化が可能。そのためムジカからラウルに攻撃を届かせる手段がなかった。

 一方のラウルもラウルで、相手に直撃させられる未来を一度も“先読み”できなかった。

 見えたのは「こちらの攻撃を回避する未来」がせいぜいで、その回避の先まで見越して攻撃しても、ムジカの超反応とレヴナントの無茶な機動が強引に回避・切り払いを間に合わせるせいで、攻撃が当たらない。

 結果としてラウル側有利の戦闘になりつつも、ムジカの集中力が切れるまでは千日手という地獄のような持久戦が繰り広げられた。

 1章強制入学編5‐2でラウルが「本気のアイツと真正面からなんて絶対やりたくない」って言ってるのはこの辺も理由の一つ。アイツの回避は何かがおかしいとしきりに首を傾げてた)

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