第21話 商隊の貴族領回り 

領の南門の所で姿を消して様子を見ている。

既に商人の馬車が3台並んでいるところへ、どんどん、冒険者たちが集まってきた。

あれ?あれは・・・[人助けのゴロ]のみなさんも護衛するんだ・・・気をつけてね!?

一台ずつ門から出ていったよ。

ギルマスまで見送りにきてるんだね・・・大げさですね。


まあ、恐らく襲撃があるとしても、東西街道を過ぎて山岳部に入ってからだろうけど。


<状態?>に商隊の様子が現れた。

*商隊と護衛の冒険者


▶カイセル商会

取扱品目:食材、農作物、果物、穀物 :魔法鞄所有

護衛 「辺境の風」Cランク

・ナダル リーダー 剣士、索敵

・エレン 魔法士  魔法支援、防御、攻撃

・ニゲル 剣士


▶キース商会

取扱い品目:両替、為替、宝石 :魔法鞄所有

護衛 「雷光の陣」Bランク

・サイラス リーダー 魔法士、結界

・バレンド 魔法士 回復

・カレラン 剣士

・ダンドル 剣士


▶ローラン商会

取扱品目:食肉、日用品、雑貨、小物 :魔法鞄所有

護衛 「人助のゴロ」 Cランク

・ゴロ リーダー 剣、盾役

・ジロ 剣士

・ネネ 魔法士

・ミヤ 索敵、罠解除


私にはよくわからないが、いろいろ考えたうえでの馬車と護衛の冒険者たちの配置なんだろうね。



今日は商人たちとの集合時間の少し前にギルドに集まるように言われていたので、まあ、目を擦りながらだったが遅れずに来てやったぜ・・・眠い!


「だから、昨日はほどほどにしておきなさいよ、って言ったでしょう!あんたは私たちのリーダーなんだからね、ちゃんとしてよ!」

「ああ、わかってる、ネネの声で目が覚めたぜ!」 「もぉ~~ ゴロ!しっかりしてよ!」


まあ、護衛の冒険者が3パーティ就くからその打合せとメンバー紹介みたいなものだった。

それぞれ、各パーティのリーダーがメンバー紹介をして、特に役に立つスキルを教えてくれた。

それで、索敵のスキルを持つナダルがリーダーの<辺境の風>が一番馬車の護衛、そして、同じく索敵が得意なミヤの我が<人助けのゴロ>が後方の3番馬車の護衛と決まった。

当然残りの<雷光の陣>は真ん中となったが、リーダーのサイラスは、結界魔法を使うし、もう一人の魔法士のバレンドは回復魔法を使う。

凄く頼りがいがありそうな連中だぜ。まあ、Bランクパーティだしな。一応、この護衛隊のリーダーは、そのサイラスがやることになった。

まあ、誰も異議を唱えなかったぜ、俺だってそれで良いって思ったし。


なかなかギルマスも頭を使って集めたんだろうな・・良いメンバーだよ。

俺が言うのもおかしな話だが、これぞ冒険者の護衛団!ってところだよ・・・ふん! クククク・・・ 



「ゴロ!? 何をニヤニヤしてるのよ!」

「・・・うん? いやあな・・・俺たちの力を存分に発揮してやろうってな、気合をいれてるのさ!」

「ニヤニヤして?」


*連絡魔石 


「今日は、ギルマスから各パーティに一個ずつこの魔石を貸し出されているが?これは・・・」

「ゴロ? ちゃんと聞いてなかったの? それは、各パーティで情報を共有するために使うもので、<連絡魔石>。握って少し魔力を流して、伝えたい相手に伝えたいことを思えば・・伝わる・・・って、言われてたよね?」

「ははは、そうだっけ? ネネはよく覚えていたなあ、お前がメンバーで良かったよ、あははは・・・」

「大丈夫? しっかりしてよね? 今日は何かあるらしいわよ・・」

「おお! 分かってる!って・・・」


「ちょっと、試してみても良いかな?」


(あーあー、三番馬車のゴロだ、二番馬車のサイラスさんよ~ 聞こえますか? 少し、連絡の試験をしておきたかった・・・)

(ははは、三番のゴロさんですな、大丈夫だ、それを使うのは初めてか? まあ良い、ちゃんとできてるぞ~)

(ああ、すまん! わかった・・・今日からよろしく頼むわ~)

(ははは、私たちBランクパーティがいるからね、まあ、大丈夫ですよ・・・三番は、特に後方への注意を怠りなくお願いしますよ!?)

(了解!)


「おお、ちゃんと連絡が出来たぞ!? この連絡魔石、凄いな・・・」

「はいはい、リーダー、そろそろ最初の貴族屋敷よ、そのあとは山間部に入るからね、何か出るならそこからでしょう!」

「おお、分かってるって!」


(こちら、一番馬車のナダルだ、そろそろ山間部への入口にさしかかるが、どうやらその前に一戦交えることになりそうだ。全員、気を付けていてくれ。

盗賊たちと思われる。道の両側に総勢10名ってところだ・・・)

(二番了解)

(三番も了解!)


「そら、お出ましらしい・・・10人だそうだ、盗賊ども・・・ミヤは特に後方の気配に注意してくれ・・・」

「はいよ!」


「しかし、馬車が3台も並んで移動していると、真横からの襲撃に対応しきれないな・・・特に多勢でこられたらヤバい。」

「そのために、2番には、結界持ちがいるんでしょ?確か、リーダーのサイラスさんは結界魔法を使えるんだから、最悪、馬車は最初に守れるわね、そのほうが私たちも動きやすいわよ?」

「ああ、そうなんだが、俺も、その結界がどの程度のものか? 見たことないしな・・・みたいに、一瞬で全員を無力化・・・なんて、できないだろうな・・・」

「何を言ってるのよ! あの人って・・・今日は、いないんだから、私たちでなんとかするのよ!」

「「おお!~~」」


その時、盗賊たちが動いた。

前方から5人、右横と左横から各6人、そして真後ろから3人が、一斉に襲ってきた・・・




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