Cosa99

藤二井秋明

Cosa99

・宇宙紀元前300年~宇宙歴500年頃


 惑星CoSa99の住人はその星を名付けて「逃星とうせい」と呼んでいた。

 あまりの小ささと運行の速さに、観測者たちは誰もついていけなかった。


・宇宙歴520年


 コサの住人は高精度な望遠鏡を生み出し、詳細な天体観測を始めた。

 コサの周りには、大小様々の衛星が存在した。

 衛星はいずれも偏平した球体だったが、たった一つ逃星だけは完璧な円筒状をしていた。


・宇宙歴803年


 初の有コサ人宇宙飛行。

 二つの衛星への上陸に成功。

 しかし逃星へのランデブーに失敗し、初の宇宙飛行士たちは犠牲になった。

 以降、逃星へのランデブーに慎重論。


・宇宙歴850年


 逃星へのランデブーに成功。

 かねてより唱えられてきた逃星の「他惑星人創作説」が実証され、円筒内部から三体の生命体が発見される。


・宇宙歴1100年


 SaL、DyoL、ProLと名付けられた三体のロボットが死去。死因はコサの大気に含まれる物質による超長期的な腐食。

 ロボットらの残した「この惑星は間もなく滅びる。太陽系第三惑星・Tellusに逃げろ」というメッセージに基づき、長征500光年が計画される。以降、計画への推進と反発とが繰り返される。


・宇宙歴2000年


 長征500光年計画がとん挫、消滅。


・宇宙歴3800年


 宗教化していたTellus信仰に基づき、総勢120000人のコサ人宗教家たちがコサを出発。


・宇宙歴40000年


 局所的特異点の群発によってCoSa99消滅。ほぼ同時期、コサ人宗教家の子孫たちが地球に到着。


・宇宙歴???年


 コサ人は現在、人類の絶滅した地球に住むたった一種の知的生命体として、繁栄の一途を辿っている。彼らを地球に導いた三体のロボットは神と崇められているが、地球人の本当の姿を知るコサ人は誰も居ない……。




 

 

 

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Cosa99 藤二井秋明 @FujiiSyumei

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