第3話 迷える少女の挑戦 1
葵依さんとお友達になって1ヶ月が経ったが、まだ勇気を持って同じ学校の同級生には声をかけられずにいた。そんな私はいつものように神社の前で悩んでいた。
「うーん、どうしよう……」
「瑠璃ちゃんはまた何を悩んでるの?」
「まだ学校に馴染めないんですよ……」
「あら、そういう事ね。お友達は?」
「葵依さんしかいません」
「私しかいないってのは大問題よ、瑠璃ちゃん。いつか瑠璃ちゃんだって独りで生きていかなければならないんだから」
友達を作らなくてはいけないのは分かっているし、独りでいつかは生きていかなくてはならないことは分かっている。でも怖いんだ、怖くて仕方ないんだ。
「勇気が出ないんです。どうしたら葵依さんみたいに勇気を持って人に話しかけられるんですか?」
「最初は挨拶から始めるのよ。だから話せなくても勇気が少しづつ湧いてくるから、話しかけたいと思う時にその子の所へ行けばいいのよ」
「なるほど……。私にも出来ますか?」
「最初から出来ないなんて思わない方がいいのよ。まあ私のお友達だもの出来るに決まってるわ!」
「ですよね!」
葵依さんの言葉になんだか勇気が湧いてきた気がする。でもまだ実行に移せないからまずは挨拶から始めてみようと思う。そうなれば明日も学校だから早速明日頑張るぞ!
「あら、スッキリした顔してるわね。私はそんな瑠璃ちゃんの顔が好きよ」
「恥ずかしい、褒めたってなんもあげられないんですからね」
「笑顔が見られればそれでいいの」
葵依さんがずっと笑いかけてくるので私まで笑ってしまった。本当に葵依さんって不思議な人だよなあ。
でも明日からは頑張る。私は葵依さんがいなくなっても困らないようにしなくちゃいけないからね。
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