にゃーる・すとーりぃ
若阿夢
プロローグ:若阿琉の今。ーー序章
若阿琉。83歳。2020年から全盲、両耳難聴の為、無職4年目の老人だ。耳は素の状態では、左耳がかろうじて聞こえるだけだが、両耳補聴器を入れ、普通の人の視力を矯正で1.5にするが如く一般の人状態に矯正し、日常では不便がなくなっている。補聴器センターの店長さんの会心の作だ。
全盲のほうは、何ともならないが、体はいたって健康だ。目が見えていた時はスポーツジムに通っていたのだが、一人でジムに通うことは不可能な為、スポーツジムのような3時間デイサービスに送迎されて週5日通っている。
さらに、残りの2日。それは3時間デイサービスが定休日なのであるが、うち1日は、少し離れた歩行浴のある食事つき6時間デイサービスに、子の若阿夢の送迎で通っている。何気なく書くと数行で終わる、この行間にケアマネージャとデイサービススタッフの努力が、かなり詰まっている。
デイサービスに週6日通ったお陰で、基礎体力は相当なものだ。あと1日、日曜が暇だと膨れていたのだが、2023年の12月末に視覚障がい者のスポーツ、サウンドテーブルテニス(以後略:STT)のサークル活動に出会う。さらに視覚障がい者に対する同行援護という行政サービスを利用することで、「世の中のお客様」に引っ込んでいた処から、一歩、「障害があるけれど自立」の芽が生まれた。
そんな若阿琉の順調めでたしストーリー…
んなわけあるか、健常者の老人が突然病気になった時の、老人ハラスメントはすさまじく、障がい者になった時の環境整備はなされていない。ともすれば、80代という年齢から老人で一番メジャーな『認知症』と一緒くたにされ、そうでなければ、逆に『認知症』じゃないからと軽視される。
これは、若阿琉のライフスタイルが確立した今だからこそ、落ち着いてやっと公開できる今日に至るまでの、現代版ヘレンケラー、わらしべ長者ストーリーである。
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