第31話 アンディ・ウィアー(Web小説→SF作家)
こんにちは、三杉です。今日は『アルテミス』という最近のSF作品の表現をご紹介します。作者のアンディ・ウィアー(1972年- )は、アメリカ合衆国の小説家です。彼の詳細は本ページの最後に掲載しています。
アンディ・ウィアーはWeb小説を書き続けて大ヒットした作家ですが、文体が独特です。好みが分かれると思いますが、私には斬新で良くも悪くも21世紀の小説かなと思っています。だって表現が面白いから! 少し紹介しますね。あ、ちなみに『アルテミス』は月に住む女の子ジャズの物語です。お仕事は密輸!! 設定もぶっ飛んでイケています。
①ボブがジャズの宇宙服が破損しているのを見て「リークがすごいんだぞ!」と言った時のジャズのセリフ「元気になれる情報、ありがとう」
②ジャズが命からがらハッチに入ったあと無線で「現状を報告しろ」と言われた時のジャズのセリフ「意識あり」
③月ドームの街に住んでいるのが金持ちだけではないことを説明……リッチヤロー三世が自分の家のトイレ掃除をするとは思えないでしょ? わたしは一般市民です。
④「よお、ジャズじゃないか!」近くのアホがいった。友だちみたいな口をきいてくるけれど、友だちじゃありません。
⑤「いつかはおれも、おまえみたいなデリバリー・ガール※になりたいよ」
「(私は)ポーター」わたしは低く唸るようにいった。 ※売春婦
⑥わたしはデイルをにらみつけてやった。なのに向こうは気がつかない。チッ、完璧な意地悪女の視線だったのに、損した。
⑦ビリーがジャズに濃縮還元したウィスキーを飲ませたときの反応……
わたしは吐き出した。悪魔の燃えるケツの穴みたいな味!😓
⑧「ビリー、わたし、人間の身体から出たもので、これよりおいしいやつ飲んだことがあるわよ」 😓女の子のセリフですか?ww
「変態野郎」彼はボトルをしまった。
⑨イリーナがドアを開けて、まるでわたしが彼女のボルシチにおしっこしたみたいに、いやあな顔をした。😓……唖然。
⑩(早くシャワーを浴びたくて)私は棺桶(注:自室のこと)に戻ると、酔っぱらったプロムのパートナーより速く服を脱ぎ捨てた。😓
※ダンスパーティーの後に、男ががっつくことにかけてます。
$ $ $ $
――どうです。ぶっ飛んでるでしょ。ここにあげたのはごくごく一部です。これが今のアメリカのSFウェブ小説の最先端です。さすがに😓マークの表現を参考にしようとは思いませんが、面白いのです。
それでいてストーリーもキャラも科学的な描写もしっかりしているので、それは読まれる訳ですよ。私の作品にも影響が出ることは間違いありません。
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アンディ・ウィアー(1972年- )は、アメリカ合衆国の小説家。
カリフォルニア州生まれ。幼い頃からのSFファン。15歳の頃からサンディア国立研究所にてプログラマーとして働き始める。その後カリフォルニア大学サンディエゴ校にてコンピュータ・サイエンスを学び、多くのソフトウェア会社で働く。
2009年から自身のウェブサイトで『火星の人』を連載、読者からまとめて読みたいとの要望を受け2011年にkindleで出版。最低価格の99セントで売りだしたが、発売3ヶ月で3万5000ダウンロードを記録し、SF部門の売上げトップ5に躍り出た。その後『オデッセイ』(原題 The Martian)として映画化された。
<アンディ・ウィアー作品>
『火星の人』The Martian(ハヤカワ文庫SF) 2014年
『The Egg』(本人のWebサイト) 2016年
『アルテミス』(ハヤカワ文庫SF) 2018年
『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(早川書房) 2021年
『乱数ジェネレーター』2022年
それでは。
(2024.8.17)
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