第5話—求める者—
「さぁ反撃の時間だ。」
レオはラグナカングを見据えながら己の剣である魔法のフランベルジュを振りかざした。そこから終わりまではあっという間だった。
「マギスフィア起動。コードロード:【クリティカルバレット】」
ロークがラグナカングに目掛けて間髪入れずに二連射した。一発は外したが、二発目は命中し、急所に当てられたようだ。
しかしそれでは終わらない。ギルが勢いよく魔法のクーゼを振りかぶり、腕を切り落とし、休む暇もなく今度はシルヴィアが渾身の攻撃を見せた。
「ー転瞬ー」
目にも止まらぬ速さで魔力を込めた一撃を繰り出した。その後、ラグナカングが反撃しようとしたが、
「—龍驤—」
そういって、シルヴィアと同じく、魔力を込めた一撃を放ち、息の根を止めた。
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「後処理のほうがめんどくさいな~もっとお金になりそうなもの、無いですかね~」
ロークが剥ぎ取りを行いながらそう言った。すでに大半の剥ぎ取りが完了しており、総額で3000G相当の代物が出てきた。辺りは明るくなり始めており、夜明けが近いようだ。
「・・・今後この村ってどうなるんだろう・・・」
シルヴィアが心配そうにそうつぶやいた。それもそうだろう。村長がオーガだと発覚し、もう代わりの人がいないのだから。
「...それなら俺が村のやつらを引っ張って行くから気にすんな。」
途端に背後から声がして、振り向いた先には、先刻シルヴィアに難癖つけてきた村人の姿があった。肩に怪我を負っており、包帯がまかれていたが、そこまで大きいけがではなさそうだ。
「昨日は悪かったな、疑っちまって。・・・俺はこう見えても村長の甥なんだ。残りのことは気にしないで休んでいてくれ。」
「・・・ではお言葉に甘えて。」
ロークの一言で、一時的に解散となった。皆各々ばらけていく中、レオが先ほど話していた村長の甥に話しかけた。
「なぁ、そのワニ芸人とやらはどんな格好していたんだ?」
「あ?どんな格好ってそりゃぁ・・・どんな姿?」
困惑している様子にさらにレオの顔は険しくなっていった。情報が少なすぎる。
(結局何者なんだよ、そのワニ芸人。)
ギルバートのその様子をみて、レオが近寄ってきた。
「やっぱり気になるか?・・・聞いてみたけど、他の奴らもはっきりはおぼえていないみてぇだ。」
「不穏すぎるよ・・ギルドマスターに連絡しないと・・・通話のピアスって誰が持っていたっけ?」
ギルバートはしばらく黙ってしまった。誰が持っているか記憶に無いからだ。しばらく沈黙の時間が流れていたが、向こうからロークがやってきた。
「やぁ。今回の依頼の報告軽く済ませておきましたよ。」
そう言いながら、Vサインしてきた。レオはすごく嫌な予感がした。
「・・・通話のピアスの時間ってどれだけ残ってる?」
「何言ってるんですか?、0ですよ。だってあの人どうでもいいこと喋りまくるじゃないですか!」
『・・・・・・・バカヤロー!!!!!!』
この時、レオとギルの叫び声が響き渡っていたという。
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場所は変わり、村はずれの道では、エイミーが走り疲れて休憩をしていた。
「もう何なのよ・・・あいつらのせいで計画が台無しじゃない・・・」
そう愚痴をこぼしていると、前に音もなく一人のフードをかぶった男が現れた。彼女は驚き、慌ててひれ伏せた。
「申し訳ございません!失敗に終わってしまいました!ですが、もう一度チャンスを!次こそは成功させて見せます!だから—」
「慌てないでください。そうすぐに切り捨てたりはしませんよ。しかし冒険者があそこまでの手練れだったとは。私もいたので加勢すれば良かったですね。まぁ悔やんでも仕方がありません。ニコルと合流しますよ。」
「承知しました。—ファルシュ様—」
第5話—求める者—完
ステータス
ローク ルーンフォーク 男 稼働歴7年
起用度:26
敏捷度:24
筋力:18
生命力:18
知力:21
精神力:13
技能:シューター7
マギテック6
スカウト6
エンハンサー1
戦闘特技:≪ターゲッティング≫≪両手利き≫≪武器習熟A/ガン≫≪射手の体術≫
武器:<ジェザイル> <デリンジャー>×2
防具:ハードレザー
装飾品:マギスフィア(小)×3(中)×1(大)×1
多機能ガンベルト(バレットポーチ、マギスフィア(中)×2
所持金:20000G
用語解説
龍驤・・・ソードワールド2.5の魔力撃です。何の違いもありません。
転瞬・・・ソードワールド2.5の・・・以下略。
次回予告
ローク「ようやく物語が始まった感じですね~いやぁ長かった」
シルヴィ「そう?それよりロークメイン回だと思ったのに全然関係ないじゃん!」
ローク「そんなときもありますよ~次回、第6話—休暇—お楽しみに」
シルヴィ「今回たったの4行?!」
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