第9話 『認知症村ホーヘベイ』

 こんばんは、星川です。最近、カクヨムの方で毎日、日記のようなエッセーを上げていて、ネタ切れを起こしております。本日は、ヤフーニュースで見つけた興味深い記事を、私の言葉と解釈で咀嚼し、母を介護施設に入ってもらっていた経験をまじえてお送りします。


 3/2日(土) あとがきのネタとしてヤフーニュースを見ていると高齢化社会の課題『認知症患者』をどう扱うかの一つの解として面白い記事を見つけた。


 オランダにある世界初の”認知症村『ホーヘベイ』だ。


 ホーヘベイは、村の中心に噴水があり、遊べるパブや劇場もある。さらに、認知症間者が、料理であったり洗濯であったりを手伝うことで自立している感覚と目的を持つことが出来る。


 そうした自由度の高さを理念に据えて設計された村だ。


 その効果たるや、認知症患者に多く見られる狂暴性を抑えるために使われる抗精神病薬の使用が5割から1割ほどに減った。と、関係者は話す。



 日本の認知症患者の現状は、65歳以上から世代の16%ぐらいが初期症状を見せる。そこから80歳以上後半から、男性35%、女性44%。95歳を過ぎると男性51%、女性はなんと84%が程度の差こそあれ認知症になるようだ。


 課題として、認知症は自覚症状がなく、早期発見・早期対応がよほど家族や周りが注意深く接していないと見逃すことが多いようだ。発症しても、家族にも仕事があり四六時中行動を見張るわけにもいかない。都度都度、心理的ケアも専門家ではないのでできないだろう。忙しくて世話を焼けない結果、認知症患者を施設や精神科病院へ入所させることが多いのが現状だ。


 これから、日本で一番人口の多い世代『団塊の世代』(74~76歳)が80歳後半へ向かって行く、その前に、出来る備えの一つは日本に『ホーヘベイ』を増やすことではないだろうか。


 次に、母を施設入所してもらった体験を星川の目線で追ってみよう。



 星川の母は脳梗塞で10年近く老健施設での養生生活をすごしてもらったから、ホーヘベイの良さは実感に近い感覚でわかる。


 母の場合、週二回の洗濯物の洗い替えで、コロナになる前は、毎週、面会していたが、基本的に屋内での面会だった。(母の入っていた老健施設は良心的で、足が悪くなるまでは外出も認めてくれていた)


 母の定期的通院で、星川は貧乏だから母を最寄りの駅まで歩いてもらって、電車とバス、公共交通機関で実家まで連れて帰った。


 車窓から、春だったりすると線路沿いに咲いてる桜を見て手を叩いたり、バスにのって同乗している幼児だったりを見るとニコニコ笑ってたのを憶えている。


 実家に帰ると、失語症で多少麻痺のある身体であっても慣れした親しんだ自分の家だ。自分好みの洋服であったり、祖母から贈られた腕時計であったりを物色して、束の間の外出を楽しんだ。



 ホーヘベイはこういう自分の自由な意志で生活する中で得る喜びの瞬間を大切にすることを理念にしている。


 健康ならば、当たり前の普通の暮らしの一部だが、病気や障害を持ち、生活にハンディキャップがある身体になると、生活を管理する施設へ入ることも多く、この当たり前の自由がかなりの部分制限される。


 同様の村は、フランス、イタリア、オーストラリア、ニュージーランド、ノルウェーにも広がりを見せる。


 ホーヘベイはまだ欧州でも広がりつつある理念だから、日本に同様の認知症村が存在するかは知らない。この記事を書くにあたり一応日本のWikipediaを調べたが『ホーヘベイ』の記事がまだ存在しない。



 政治と経済の話にはあまり口を突っ込まないのが処世術だけど、自分が認知症になり施設に入るとしたら現状の病院をモデルにした介護施設より、ホーヘベイのような外に出ることが許される自由がある所で余生を過ごしたい。


 あと、アレだよ入居者が転んだぐらいで(高齢者は骨折のリスクが高いのは承知しています)、始末書や報告書を書かせるムダなんとかならないかね。確かに、重大事故を防ぐためには、小さな事故を見逃さない心掛けが大切なのはわかるが、そのことで、介護士さんが転倒にナーバスになり寛容さが委縮するのも家族としては困る。


 ボクの場合はいつも介護のプラン面談のとき、


「例え、転倒のリスクはあっても、出来るだけ自分の足で歩くようにさせてあげてください。それで、ホントに転倒して骨折となっても、母はきっと自由度の高い方を喜びます。家族としてもそのような事故があっても施設を責めるような事はしませんし、病院も私が責任を持って付き添って連れて行きます」と、厄介なお願いをしていた。


 認知症になっても障害があっても、出来うる限りのことは自分で自由にやって、出来ないことをサポートしてもらう。


 そんなホーヘベイのような理想と理念の村に終末は皆、暮らしたいのではないだろうか。


〈了〉


この記事が興味深い、面白いと思われた方は是非、

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よろしくお願いします。


それでは、また

(つか、今週、毎日連載してますけど、マジで不定期ですので 汗)


(参考記事:ヤフーニュース!3/2㈯ 11:31配信の『旧来の認知症介護とどう違う? 世界初の認知症村「ホーヘベイ」が注目される理由とは』より引用および抜粋

 https://news.yahoo.co.jp/articles/67e14b09461b40fd0e808e7137dd1922a9cbbdac)

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